12月 13, 2016 20:11 Asia/Tokyo
  • 家庭と子どもの麻薬常習

今回は、家庭と子どもの麻薬の常習についてお話しすることにいたしましょう。

現代において、一部の家庭が抱えている重要な問題の1つは、子どもの麻薬常習です。これらの家庭では多くの場合、過去に相応しくない接し方をしたために、子どもが麻薬を常習するようになったと考えており、そのため常に罪悪感にさいなまれています。もっとも、麻薬に手を出している子どもたちも、親たちのこうした罪悪感を悪用し、麻薬の使用を正当化して、その責任を親に転嫁しています。

麻薬を常習する人の家族は、罪悪感や良心の呵責により、不健全で有害でありながらも麻薬の使用者を支援し、当人に麻薬の服用を継続させるような行動を、無意識的にとるようになります。例えば、自分は母親失格で、子どもをきちんと教育できなかったと見なしている母親、或いは自分が十分に愛情を注がなかったから子どもが麻薬に手を出したと考えている母親は、子どもが麻薬を服用している事実を正当化したり、隠蔽し、本来子ども自身が背負うべき責任を自分で被ろうとします。また、子どもを金銭的に支援します。親によるこのような誤った支援や行動により、子どもは自分の病気に真剣に向き合わず、麻薬の使用を続けることになります。

 

一方で、麻薬常習者を抱える家族は、この終わりのない問題に直面したとき、失望や怒り、行き詰まりを感じることが多くなっています。家族が麻薬に手を出したことによる怒りから、当人のみならず、ほかの家族も困惑、失望します。それは、彼らが状況改善に向けて努力しても、麻薬に手を出した本人はその努力をせずに麻薬の使用を続けるからです。家族は面目を保つためにこの問題を隠蔽しようとしますが、それは麻薬使用者にとって何の助けにもならないばかりか、本人は益々うつ病などにより苦しんでしまうのです。

専門家の見解では、各家庭は子どもや他の家族による麻薬の使用を未然に防ぐことができるよう、具体的な措置を講じる必要があります。そのためにはまず、親が麻薬について十分な情報を得ることです。各種の麻薬やその服用方法、麻薬に手を出す原因や決定的なきっかけ、麻薬を服用した場合に現れる症状などについて、親は十分認識する必要があります。

また、子どもが好奇心から麻薬に関する様々な疑問を投げかけてくること、またそうした質問をしてくることは当然であると親は了承しておくべきです。例えば、子どもから、今までに麻薬を使用したことがあるかと質問される可能性も否定できません。

親は、こうした問いに対する答えをあらかじめ用意しておく必要があります。専門家によれば、こうした質問をされるのは、親自身がこれまで麻薬に手を出さなかった理由を、分かりやすい言葉で説明する、或いは服用したことがある場合はその理由とともに、自分の子どもにはなぜその過ちを繰り返してもらいたくないと考えているのかを説明するよい機会とされています。

ここで、親が留意すべきことは、必要以上に詳しく述べないことです。それは、子どもが好奇心を抱く可能性があるからです。もっとも、これまでお話してきたことが効力を発揮するのは、子どもに対する愛情が伴う場合です。心理学者によれば、子どもの問題行動を防ぐ最善の方法は、親が常に子どもに対し、愛している、いつでも助けてあげると言うことだとされています。