家庭と子どもの余暇
今回は、家庭と子どもの余暇について考えることにいたしましょう。
余暇のための計画を立て、これを適切に活用することは、家庭から社会的な問題を遠ざけるための最も重要な戦略の1つです。ここからは、余暇の適切な過ごし方について、いくつかの提案をしていくことにいたしましょう。
余暇とは休息や安らぎ、また自分の好きなように使える自由な時間を意味します。若者が不健康な娯楽や逸脱に直面しているような状況においては、その若者が属する社会の文化モデルに合致し、健康的な喜びを与える適切な下地を作る必要があります。学齢期、特に思春期を迎えている青少年向けに、社会の規範に即した活動が考慮されなければ、社会的に好ましくない現象が発生する可能性があります。余暇を適切に過ごすよう計画することは、精神衛生の維持や創造性の発揮、社会的・道徳的な逸脱行為の阻止と密接な関係を持ちうるのです。
時として、両親は子どもの興味や関心を考慮しないまま、その時期の子どもの教育的な側面のみを重視し、次の学年の学習内容を教える強化クラスや外国語教室などに子どもを通わせようとします。しかし、これでは子どもは勉強に飽きることになります。休みの間は、正しい計画により、次の学習に向けて頭脳を休ませるための時間を作り、これによって学習能力を高めることができるのです。
スポーツ
スポーツや遊びは常に、余暇の過ごし方の重要な形式の1つとされてきました。スポーツの最も重要な目的の1つは、有益な活動に向けて身体と精神の準備をととのえることです。実際に、人間の心と体を強化しうる最善の娯楽の1つはスポーツです。スポーツは、健康増進や体力づくりに最も効果的であり、運動能力や感覚を鍛え、集中力や思考力を高めることにもつながります。
芸術と創造
芸術活動に参加することも、精神的な安らぎを得ることや創造力の育成に非常に効果があります。1つの芸術作品を生み出すことにより得られるよろこびは、精神的な滋養であるとともに、その人に秘められた才能を磨くことになり、余暇を教育の効果のある、建設的な時間にすることができます。
読書
様々な年齢層の人々にとっての、余暇の最もよい過ごし方の1つに読書があります。親が子どもの年齢に適した書籍を用意し、家庭内に読書の習慣を作り、子どもに読書を奨励することで、子どもの余暇が最も充実したものになると同時に、様々な疑問に遭遇したときに、読書により答えを見つけ出すという習慣を身につけることは、子どもにとって大きな助けとなります。
劇場と映画館
劇場や映画館も、青少年が余暇を有効に過ごす上で効果的といえます。数多くの調査結果から、映画の鑑賞は性格に深い影響を及ぼすことが分かっています。このため、見ようとする映画を慎重に選ぶ必要があります。
インターネットは、知識や情報の量を飛躍的に増やすという否定しがたいメリットがあります。しかし、親は子供のインターネット使用に関しては適切な監視を行う必要があります。
戸外での遊びやゲーム
公園で遊ぶことや、週末に空気のよい郊外に出かけること、また他の都市への旅行も、家族同士の親睦を深め、心の安らぎや身体と精神の休息に非常に効果のあるプランの1つです。
親は休暇の計画を立てる際に、子どもに相談する必要があります。親は常に案内役を務め、子供の興味を考慮し、彼らの成長と才能の育成を助けなければならないのです。