1月 11, 2017 19:08 Asia/Tokyo
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イランにおける金の利用は古い歴史を有しています。

歴史的な資料によれば、イランの最古の金鉱山は、スィースターンと、ダームガーンのクーザルです。今日、イランでは、およそ7万人の業者が、金や宝石の分野で活動を行っており、専門的な人材の起用の点で、世界的な競争力を有しています。

 

金は貴重な金属であり、はるか昔から、人間はさまざまな形で、装飾品や器、医療や歯科の分野で金を利用していました。原始時代の人間が金に注目したのは、この貴重な金属が、川のほとりで光を放っていたからだと言われています。美しい輝きを持つこと、加工しやすいこと、希少価値が高いこと、酸化しないこと、その他の化学的な要素が金の特徴であり、金が発見されてから数千年という歴史の中で、その重要性はより高まっています。

 

東洋の歴史で最も古い金脈は、紀元前4000年にシュメール人が暮らすチグリス・ユーフラテス川の地域で発見されたとしています。これまでの研究、調査から、紀元前3000年期に古代エジプトで、人々が金を加工し、売買していたことが分かっています。当時、金細工師は、フィルアウンとその一族、司祭や高官の装飾品や宝石を作るためだけに、金を利用することが許されていました。

 

イランでも、金の利用は古い歴史を有しています。古代ローマ時代のギリシャの地理学者、ストラボン、17世紀のフランスの旅行家で宝石商のシャルダン、19世紀のフランスの考古学者、ギルシュマンは、その著作の中で、金が発掘されていたイランの地域や歴史について触れています。

 

ギルシュマンは、著書の中で、イランの始まりからイスラムまでの時代について、次のように記しています。「メディア王国時代、ハメダーン周辺で金が採掘されていた」 また、歴史家で作家のウィル・デュラントは、文明史に関する著書の中で、この時代に触れ、次のように記しています。「紀元前1700年ごろのイランの民族だったメディア人は、銅、鉄、金、銀、大理石などを、自分たちが居住地に選定していた山から手に入れていた」

 

紀元前550年から330年の200年間、当時の世界の広大な領土を統治していたアケメネス朝の皇帝たちは、ハメダーンやルーマニアの金山から必要な金を確保していました。紀元前516年には、金貨が鋳造されており、硬貨が広く使用されていました。

 

アケメネス朝時代の金貨

 

これまでの発掘調査から、この時代の金でできた非常に美しい遺物が発見されています。これらは現在、イラン考古学博物館の他、アメリカやイギリスの博物館に保管されています。

 

1501年から1722年のサファヴィー朝時代は、イランにおいて、伝統工芸や芸術が最盛期を迎えた時代でした。イランの歴史において始めて、この時代に国の貴重な金や宝石の一部が集められました。イラン宝石博物館に保管されている金や宝石は、この土地の先人たちの貴重な遺産の一部となっています。

 

 

イランには、大小の金脈が存在します。一つの金山から採掘される量の世界の標準は、100トン以上です。これまでに、世界水準に近いおよそ10か所の金山がイランで確認されています。北西部・西アーザルバイジャーン州のタカーブ行政区には、2つの大きな金山があり、どちらも古代の金の採掘の痕跡が発見されています。

 

2つの金山のうちのひとつ、ザレシュ―ラーン金山は、世界遺産・タフテソレイマーンから15キロの場所に位置しています。この金山は中東最大で、純度や埋蔵量の点から、イランで最も貴重な金脈とされています。その近くにあるアーグダッレ金山からは、年間2トン以上の金鉱石を手に入れることができます。

 

この他のイランの金山としては、イラン中部のムーテ金山を挙げることができます。

 

 

この金山は、イスファハーン州に位置し、古代から採掘がおこなわれてきました。考古学調査により、この地域から、古い採掘の道具や熔解のための壺が発見されています。

 

ムーテ金山には、およそ200万トンの金鉱石があり、新たな技術による方法で採掘された場合、毎年、400キロから500キロの金を手に入れることができます。

 

ムーテ金山

 

これまでに利用されてきた金山に加え、西・東アーザルバイジャーン、コルデスターン、ケルマーン、ホラーサーンラザヴィー、南ホラーサーン、イスファハーン、ヤズド、ハメダーン、マルキャズィー、スィースターン・バルーチェスターンといった各州で、金鉱脈や金山を発見する活動が行われています。

 

金は、産業や生産活動において、多くの利用価値を有しています。金や金の合金が利用されているのは、電子産業、近代的な技術による防衛システム、航空宇宙産業です。

 

金は、透明になって光が透けるほど薄くすることができます。このような特徴は、一部の航空機の操縦室のガラスの凍結を防ぐために利用されています。

 

また、金や金の合金は、現代医学において貴重な要素のひとつです。金は危険がないといわれています。24金は柔らかい金属であるため、簡単に利用することができます。金は歯科や、錦織などの芸術にも利用されています。

 

医学における金の利用

 

金をはじめとする鉱物は、国家の経済成長において基盤となる役割を果たします。金は、お金と歴史的な関係を持っていることから、経済の成長や停滞の際、確かな財政の支えにもなります。金は、他の資産に比べて損失が少ないため、リスクを最小限に抑えたい人は、常に、金の購入や貯蓄を好みます。

イラン・ダームガーンのクーザル

各国の政府は、金を富の蓄積と取引の手段として受け入れています。そのため、経済的な見地から、それを戦略的な金属と見なすことができます。金は、宝石、金塊、金貨など、様々な形で、多くの国の金融システムの支えとなっており、世界的に最も重要な通貨基準となっています。

 

豊かな金鉱を持っていること、生産のためのコストが低いこと、貴重な生産物が手に入ることは、イランの非石油製品の輸出に適した機会をもたらしています。

 

一部の地域諸国では、機械による金製品の生産が行われており、また、イラン人の芸術家による純粋なデザインの利用やモデルの多様性は、この貴重な金属の魅力を増しています。そのため、適切な市場の獲得により、そのニーズに対応することが可能です。

 

この中で、イランの経済関係者は、輸出の自由化、製品やサービスの輸出における免税、輸出機関の強化、輸出業者の銀行業務の簡素化、国際見本市の開催といった政策により、国際競争における金の取引の改善をはかろうとしています。この重要な目標を遂げるために、新たな可能性の開拓、適切な構造改革、国際的なアプローチによる輸出部門への技術やインフラといった包括的なサービスの提供といった取り組みが行われています。

 

 

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