2017年2月10日(福本・山口)【音声】
今週の金曜広場もお楽しみください。
福本:
今日は、今から38年前のイラン暦バフマン月22日にイランイスラム革命が成就した、「イスラム革命勝利記念日」ですよね。
山口:
はい、このイスラム革命を指導したイマームホメイニー師が、15年ぶりに祖国に帰還を果たして、イランの人々による革命のうねりが頂点に達した、つまり革命が勝利した日が、バフマン月22日なんですね。そして、ホメイニー師の帰国から革命が勝利に至るまでの10日間は、「ダヘ イェ ファジル・夜明けの10日間」と呼ばれ、イランでは毎年、この時期にあわせて様々なフェスティバルや式典が開催されています。
福本:
そして、このバフマン月22日が過ぎると、テヘランでは徐々に、春の足音が聞こえはじめる、といいますか、街のあちらこちらで小さな春を感じるようになるんですよね。2月4日の立春前にはテヘランも氷点下を記録するなど随分と冷え込みましたが、さて、今年の春の訪れはどうなるでしょうか。
●リスナーより
日本では秋田県や新潟県の小正月の伝統行事に「かまくら」がありますが、イランにも雪を使った冬のイベントがありますか。
●ラジオより
福本:
イランで雪深いところと言えば、北西部のアルダビールやカスピ海沿岸地方を思い浮かべますが、山口さん、いかがでしょう。イランで雪や氷を使っての冬のイベントって、ご存知ですか?
山口:
はい、札幌雪祭りによく似た雪祭りのイベントが、1月の下旬から2月の上旬にかけて開催されているんですよ。それは、イラン南西部チャハールマハール・バフティヤーリー州の中心都市シャフレコルドで、ここ数年にわたり行われているそうです。私自身はまだ行ったことがないのですが、つい先日、イランのある通信社のウェブサイトを見てびっくり。イランの有名な詩人などの人物や、ペガサスなどの見事な雪作りの像が沢山ありました。写真で見ても、ダイナミックで感動的でした。ちなみにこの雪祭りのイベントは今年で7回目だそうで、来年は是非このイベントを密着取材できたらいいなと思います。イランには、他にも雪の沢山降る地域がありますので、もしかすると、このほかにもイランにはこうした冬のイベントがあるかもしれません。
●リスナーより
ラフサンジャーニー師のご冥福をお祈りします。日本と縁の深い方でした。
●ラジオより
福本:
ラフサンジャーニー師、日本の皆様には、「公益評議会議長の」と申し上げるより、「元イラン大統領」という肩書での方が、馴染みが深くていらっしゃるでしょうか。先月8日の夜でしたよね。突然の訃報に本当に驚きました。
山口:
まさに、寝耳に水といった感じでしたね。確か、日本のイラン関連のニュースでも、イランの政界の要人の中の、穏健派の代表として報じられていたと思います。そういえば、もう3年ほど前に初めてケルマーンに旅行したときに、ケルマーン州ラフサンジャーンがピスタチオの有名な産地であるとともに、このラフサンジャーニー師のゆかりの地であったという説明を、ガイドの方から受けたことを覚えています。先月8日の夜、そしてそれから何日間は、ラフサンジャーニー師の訃報や、このイランの政界の要人の生涯を振り返る番組で持ちきりでしたよね。1979年のイスラム革命の際には、その指導者であるホメイニー師の重要な支援者として役割を果たし、そして革命後から亡くなるまでは、大統領職をはじめ公益評議会議長までと、イランの政界における重要なポストを歴任して、現在の体制作りに貢献してきたわけです。まさに、イランという国家とともに歩んだ一生だったのではないでしょうか。
福本:
「イランという国家とともに歩んだ一生」、本当におっしゃるとおりですね。今週はこの他にもラフサンジャーニー師の死去に対してお悔やみの言葉を複数の方から頂戴しております。ありがとうございました。
●リスナーより
「今日の話題」では、イスラム美術と建築の本の紹介でしたが、イスラム美術や建築物は独特なものがあるので、一度イランを訪れて現物に触れたいと思いました。
●ラジオより
福本:
イスラム美術、イスラム建築と聞きますと、その集大成であるモスクを思い浮かべてしまうのですが。山口さんはイランの様々な地方を旅していらっしゃいますが、イスラム美術、イラン建築で印象に残っているもの、あるいはイランにご旅行にいらっしゃる方へのお勧めとしてはどういうものがありますか?
山口:
うーん。かくいう私も、まだまだとてもイランの見所の全てを見たわけではなく、行きたくてもまだ行けてない所のほうがはるかに多いんですよ。とりあえずは、イラン中部古き都イスファハーンのイマーム・モスクや、ヴァーンク教会、悠久の歴史を誇るアケメネス朝の遺跡ペルセポリスを初めとする、ユネスコの世界遺産がまずお勧めというところでしょうか。それからイランのイスラム建築の中では、やはり中部イスファハーンにあるシェイフ・ロトフォッラーモスクの浮き彫りが有名だと思います。そのほか、私は個人的には是非、ペルシャ湾沿岸地域とそこに浮かぶゲシュム島、南東部ケルマーン州のキャルートと呼ばれる、アメリカのグランドキャニオンに似た砂柱が連続する地形、そして北部カスピ海に程近い、1000段の階段があるルーデハーンの城砦、といったところをお勧めしたいと思います。もっとも現時点ではこういったところをお勧めはしましたが、これからもっと沢山の場所を訪れることで、そのときにはまた考え方が変わっているかもしれません。
福本:
そう言えば、今年のイランは海外からの観光客が大幅に増える見込み、なんだそうですね。先月には、世界中の観光ガイドおよそ500人がイランを訪れて、国際会議も開催されました。このところ、テヘランには新しいホテルの開業も相次いでいるようです。リスナーの皆様も、機会がありましたらぜひ、イランにお越し下さい。悠久の歴史、壮大な自然、人々の温かいおもてなしが皆様をお待ちしています。
●リスナーより
イランでは3カ月後、「春分の日」が新年にあたるノウルーズですね。緑豆やかいわれ大根の種で、私も「サブゼ」に挑戦してみたいと思います。
●ラジオより
福本:
既に、2月も10日になってしまいましたが、ということはイランのお正月まで、あと1カ月と10日?1週間ほどですか?Yさんは、「サブゼ」に挑戦してみたいとおっしゃっていますが、ご存知ない方のために、このサブゼについて、山口さん少しご説明いただけますか?
山口:
はい、サブゼとは、イランの春の新年の際の食卓に添えられる7つの縁起物のひとつでして、ペルシャ語で「緑」を意味します。実際には、いくらかの量のレンズ豆や麦などを、丸い小さめのお盆の上などで、数週間水につけて発芽させまして、それが10センチから15センチくらいに伸びて、束になったような状態のものを指します。これは、イランのお正月の期間中は、他の縁起物とともに食卓に飾っておきまして、お正月の13日目にあたる日に、自宅外にピクニックや散策に出た際などに、川に流すことになっています。それから、蛇足になりますが、イランのお正月の最後の日には、まだ結婚していない女の子たちが、地面に生えている草同士を結び合わせて、幸せな結婚を願うという習慣もあります。
福本:
ここにイラン暦来年の手帳があるのですが、これを見ますとイランの新しい年1396年の訪れは西暦の3月20日、イラン時間の午後1時58分40秒になっています。日本時間ですと、夜の7時半頃でしょうか。イランのお正月の到来は、太陽が黄道を横切る、いわゆる春分点を通過する時とされているので、世界のどこにいてもその瞬間に「明けましておめでとう!」となります。
今回皆様からは、1月6日の金曜広場をお聞きになっての様々なお声を頂戴しております。イランの郵便事情やラジオ日本語のベリカード発行について、中には真摯なアドバイス、ご提案を下さった方もいらっしゃいます。皆様、本当にありがとうございました。
これからは、冬と春の綱引きの時期がしばらく続きますね。皆様もどうぞお体に気を付けてお過ごし下さい。