「日本人主婦のオカリナアンサンブルのクラスを開講します」というお知らせが飛び込んできたのが2011年の秋のことでした。

それまでは、「せっかくイランにいるのだから、何かイランの楽器が演奏できるようになりたい」と常々思っていたもののそうした伝統音楽の楽器はどれも私にとってはハードルが高く、ご縁のないまま過ごしていた矢先のお知らせでした。飛びつくようにオカリナを始めて、気が付けば早5年半。先生の熱心なご指導のお蔭で、私たちグループのレパートリーも日本の唱歌からポップス、クラシックと年々順調に増えつつあります。その中の一曲に、東日本大震災の復興を支援するチャリティーソング「花は咲く」があります。先週のレッスンの際にはこの曲を三重奏で演奏しました。震災から今年で6年、演奏しながら、あの日からの自分の、日本の、そしてイランの様々な出来事が、この静かなメロディーとともに蘇ったのでした。

2017年3月11日　　　　　福本節子