4月 26, 2017 18:44 Asia/Tokyo

今回は、イランの養殖業についてお話しします。

 

イランは、南部と北部におよそ6000キロの海岸線を有し、さまざまな種類の水生動物が存在することから、養殖業への投資を追求しています。

 

今日、世界の人口の増加に伴い、健康を維持する上で、食料の質に注目する必要性が高まっています。魚類は、他の肉に比べて、心臓や血管の健康、子供の肉体や精神の成長、高齢者体力や記憶力の強化に効果的であることから、その需要が増加しています。

 

漁業が盛んになったことで、多くの水生生物が絶滅の危機に瀕しています。そのため、多くの国では、漁業の傍らで、バイオテクノロジーを利用した養殖が行われており、食料のニーズを満たすと共に、海の資源の復活を促そうとしています。

 

イランの養殖業の歴史は、およそ100年前、キャビアの養殖によって始まりました。今日、世界各地には養殖魚を育てる場所が数多く存在しますが、イランの養殖産業はしかるべき地位を保っています。この産業により、イランでは、年間数十万トンの魚が生産され、、世界の市場に輸出されています。

 

イランの水産養殖では、温水種や冷水種とえびの養殖が盛んに行われています。温水種と冷水種は、異なる月に育てられています。

 

温水種の魚の明らかな特徴は、水温にあります。この種の魚は、20度から30度の水温の中で順調に成長します。しかし、33度を超えると窒息し、13度以下になると病気になり、8度以下になると冬眠します。透明な水には、温水種の魚が成長するのに必要な微生物が生きていないため、この種の魚は水の濁った暗い場所で成長します。

 

養殖魚は、水槽や囲いなどの中で育てられます。この種の養殖システムは古い歴史を有しています。かつて、漁師は捕獲した魚を市場に持っていく前に水槽を利用していました。この方法では、魚は水槽の中で自由に泳ぐことができます。

 

海に作られたいけすによる養殖方法では、魚は自然環境の中で育てられ、危険な波に襲われることもありません。現在、多くの国がこの種のシステムによって養殖魚を育てています。キーシュ島などのイランの一部の地域では、温水種の魚の養殖のためにこの方法が使われています。このようにして育てられたコイなどの魚は、イラク、アゼルバイジャン、ロシア、アフガニスタンなど、さまざまな国に輸出されています。

 

ニジマスは、冷水種の養殖魚です。世界の市場でも取引されているニジマスは、6度から19度の水温で育てられています。

 

ニジマスは、酸素の豊富な冷水の中で暮らし、元々、北アメリカの太平洋沿岸に生息していたものが、次第に世界中に広がっていきました。一部の湖の自然状況の中で育ったニジマスは、体重が9キロにもなります。

 

イラン北部のカスピ海では、ニジマスにサケ科の冷水種の魚で、非常に味もよいマーヒーアーザードが養殖されています。イランの泉は水温が低いため、冷水種の魚を育てるのに適した環境が整っています。ギーラ―ン、ロレスターン、マルキャズィー、イスファハーンの各州が、ニジマスの養殖の中心地です。

 

イラン北西部にあるアルデビール州は、冷水種の魚の養殖が盛んな州のひとつです。この州には400以上の養殖場があり、ニジマスの養殖に適した場所となっています。

 

今日、世界市場への進出に成功するためには、国際的な基準を満たしていることが必須です。イランは制裁下にあり、養殖産業の新たな条約や国際的な情報を得たりする可能性がなかったにも拘わらず、この分野で、価格や質の点で競争に値する生産物を世界市場に提供してきました。また、国内の需要を満たすだけでなく、その一部を国際市場にも輸出しています。

 

現在、養殖業に携わる人々は、生産物に証明書をつけようとしています。彼らは、卵がかえって養殖用の水槽に移動させる際にすべての特徴を登録し、水槽に移動させた日付、水槽の種類、生後の日数、えさの種類などの重要な情報が手に入るようにしています。また、えさをやった時間なども明らかにし、輸出市場の買い手が、必要な情報を手に入れられるようにしています。

 

近年、ナレッジベース企業の漁業分野での活動により、国内の養殖業者の可能性が拡大しています。これらの企業は、漁業の持続可能な開発に関する計画の提示や研究活動により、この分野で活動する企業を支援しています。

 

海産物の加工は、顧客が満足する製品の生産や提供という点から、高いポテンシャルを有しており、収入の増加につながります。現在、多くの国で、魚の加工品が提供されています。