9月 03, 2017 21:10 Asia/Tokyo

9月1日は、イスラム暦ゼルハッジャ月10日にあたり、イスラム教徒にとっての重要な祝祭「犠牲祭」の日です。 イスラム教徒の皆様にお祝いを申し上げます。

福本:

さて、9月に入りましたね、と申し上げたいところですが、実はこの番組を収録しているのは、まだ8月中のことなんですよね。それで、私と芝田さんがずっと注目しているサッカーワールドカップアジア最終予選の日本代表の行方、今この時点ではまだわかっていません。あと一勝すればワールドカップ出場が決まるのですが、その一勝が何とも難しいという。

芝田:  

本当ですよね。なんだか毎試合ハラハラさせられます。こちらイランは打って変わって、すでに代表チームがワールドカップ出場を決めていて、もうあとは消化試合という余裕です。うらやましいですよね。

福本: 

さてさて、この金曜広場が放送されている9月1日には、もう結果は出ているわけですが、果たして日本代表はワールドカップ行きの切符を手にしたのか、それとも5日のサウジアラビア戦までおあずけとなっているのか、楽しみなような怖いような、ですね。

芝田:  

そうですよね。もうこの番組が放送されている頃には、残すところあと1試合ですね。どうなっているのやら。このワクワクドキドキが笑い飛ばせるような結果になっていればいいのですけれど。

 

●リスナーより

イランのIRIB国際放送から、日本語以外でアジア向けサービスがありそうですが、たまには案内してください!英語とかなら分かりそうですが。確か、かなりの番組数があったような?近隣が多いですかね。出力が強いのでIRIBの他の言語も試してみたいです。

 

●ラジオより

福本:

O・Tさん、いつもレポートをありがとうございます。Oさんからのレポートは、毎回、レアな話題が多くて、個人的にも楽しませていただいています。さて、IRIB国際放送局には30を超える言語の放送局があって、ラジオ日本語もその一つですね。

芝田:

そうですね。東アジア、東南アジア、南アジア、西アジア、ヨーロッパ、アフリカと非常に広い範囲の言語をカバーしていますよね。

福本:

パールストゥデイの日本語サイトから、各言語の情報を得ることができますので、ぜひ一度アクセスしてみて下さい。日本語サイトのトップページの左上、パールストゥデイのロゴマークの横に小さく、Japanese ▼ と表記されています。そこをクリックしていただくと25の言語がずらりと表記されますので、興味のある言語をクリックすれば、その言語のトップページが表示されます。周波数、放送時刻などの情報は画面を一番下までスクロールしていただいて、やはりパールストゥデイのロゴマークの横に並んでいる項目から「周波数」を選んでクリックするとその画面に飛びます。

芝田:

現在、インターネット上でアクセスできる言語が25言語あるということなんですよね。もちろん英語放送もありますし、アジア圏で日本に近いところですと、中国語放送を提供していますよね。

福本:

イランからの中国語放送が日本で受信できるかどうかはわかりませんが、Oさんにはぜひチャレンジしていただいて、そのレポートをお寄せ下さると嬉しいですね。勝手なお願いで恐縮ですが。

 

●リスナーより

少々暴走気味の「還暦少年」は、何と地域コミュニティFM放送局のパーソナリティのオーデションにも応募してしまいました!これは「第一次」「第二次」「最終」と厳しい関門が持ち受けていますが、ラジオ大好き「還暦少年」の夢への挑戦となります(笑)。

 

●ラジオより

福本:

「那須単身」さん、ご自身のことを「還暦少年」とお呼びです。私も同年代ですから、このバイタリティ溢れる姿勢、「見習わなくては」ですね。「第一次」「第二次」「最終」だなんて、私がこれほど大変な試験を受けたのは、遠い昔に某企業を受験したときくらいです。

芝田:

いやあ、すごいですね。ぜひ応援したいです。FM放送からお声が聴けることになった暁には、ぜひ、お知らせください。

福本: 

朗報をお待ちしております。

 

●リスナーより

ペルシャ語翻訳家の方へのインタビューは興味深かったです。機会を改めて再登場願えればと思います。ペルシャ語文学をたくさん読んでの感想が聞きたいですね。

 

●ラジオより

福本:

さて、このインタビューはペルシャ語翻訳家の愛甲恵子さんへのものですが、北川修一アナがインタビュアーでしたね。3回に分けてお届けしました。

芝田:

はい、ペルシャ語の絵本や童話の翻訳をされているということでした。今後も新しい作品を楽しみにしています。

福本:

ペルシャ語文学を読んでの感想が聞きたい、とのことですが、少々話題は逸れますが、ラジオ日本語の番組でペルシャ文学を正面から取り上げた番組ってありましたっけ?

芝田:

数年前には、「フェルドウスィー、イランの偉大な叙事詩人」という番組がありました。この中で、フェルドウスィーの傑作「王書」のストーリーですとか、解説もやっていたように記憶しています。

福本:

あぁ、そうでしたね。詩と文学の国でもあるイランですから、そうした作品を具体的に解説した番組があったらいいな、と私は常々思っているのですが、これは結構翻訳者泣かせでしょうか?

芝田:

ペルシャ文学は奥が深いですよね。本当に偉大な作品がたくさんあります。このフェルドウスィーの王書も、30年以上の歳月をかけて完成されたということです。モウラヴィーの番組もありましたが、あれも本当に内容が難しくて、本当に理解するには、まあもちろんなんですが、ペルシャ語だけではなくて、宗教やイランの神秘主義など、いろいろな知識が必要だと言われています。ペルシャ語の解説を読んでも、恥ずかしながらチンプンカンプンなことが多いのです。なかしまさんが仰っていたペルシャ文学を読んでの感想も、半分くらいは説明になってしまいそうです。

 

●リスナーより

イランの90%を占めるイスラム教シーア派の礼拝(サラート)は、2回目と3回目、4回目と5回目をまとめて、合計一日3回行うのが一般的だとお聞きしました。日本語課の皆様はどのように行われていますか。また、ムスリムには必需品となっているアザーン時計はお持ちになっていますか。

 

●ラジオより

福本: 

まず、礼拝の数についてですが、5回というのは、ファジル・日の出前、ズフル・正午過ぎ、アスル・午後、マグリブ・日没後、そしてイシャー・夜の5回なのですが、シーア派の場合、ズフルとアスルを一緒に、マグリブとイシャーを一緒に礼拝を行うことができる、ということで、ただしまとめてというニュアンスとは少し違っていまして、それぞれの定められた礼拝の単位、ラカートと言いますが、これはズフルの分、少し時間を置いて、次はアスルの分、というようにそれぞれ定められた礼拝をきちんと守って、行っているわけです。ラジオ日本語のスタッフは、それに則って礼拝を行っていますね。

芝田:

そうですね、そして、「アザーン時計はお持ちですか?」とお尋ねですが。

福本:

これはイランの方たちにはあまり一般的ではないかもしれません。アザーン時計というのは、礼拝時刻になるとアザーン・礼拝への呼びかけが流れるものですが、私が見たことがあるのは、スンニ派の方のオフィスで、モスクをかたどったなかなか立派な置時計でした。

芝田:

そうなんですね。イランですと、ラジオからもテレビからも礼拝の時刻を知らせるアザーンが流れてきますし、この国際放送局の建物の中でも、その時刻になるとアザーンが流れていますものね。

 

【インタビューコーナー】    

奈良県大和郡山市のリスナー 山田寿一さん

山口アナウンサー:

貴殿のBCLのご経歴、BCLを始められたきっかけについてお聞かせください。

 

山田さん:

BCLを始めたのは1977年の4月からで、きっかけは中学の入学祝に親戚の方から短波ラジオを買っていただいたことから始まります。

当時購入したラジオのパンフレットに日本語放送のスケジュールや住所が記載されており、受信報告を送ればベリカードがもらえると書かれていて、今まで外国に手紙を送ったこともなかったので、とても新鮮に感じ、受信報告を送ってベリカードを受領することに夢中になってしまいました。当初は日本語放送だけだったのが、それに飽き足らず、英語放送や外国語放送にも受信報告を送るようになって、更に趣味の深みにはまっていきました。

しかし、大学受験の1984年4月からしばらく休止し、再び1990年からBCLを再開しました。ここから受信機も本格的なものに買い替え、BCLのクラブに入会したり、友人を作ったりと2000年代前半までは、短波放送を聴きまくっておりました。その後は短波放送を廃止してゆく放送局が増え始め、それにつれて放送を聴く時間も減っていきました。今は気が向いたときにラジオを楽しんでいるという感じです。IRIBラジオ日本語については、放送が開始された1999年から聴き始めました。しかし正直それほど熱心に聴いているリスナーでもありません。

貴局への受信報告も2011年から今年の5月まで出しておらず、久しぶりに5月にお送りした次第です。最近は短波の放送よりインターネットで放送を聴くことが多いです。インターネットならば放送時間を気にせずに自分の好きな時間に放送を聴くことができ、大変便利です。よく聴いている放送番組は週末の放送が多いです。

 

山口:

弊局の番組をお聞きいただく前と後では、イランやイスラムに対するイメージはどのように変わりましたでしょうか?

 

山田さん:

番組を聴く前の自分はイランについて知っていることと言えば、イラン革命とかパーレビ国王とかホメイニ氏とか、核開発とか日本のマスコミが伝える断片的な単語を知っているぐらいのものでした。また、お隣のイラクと国名が非常に似ており、混同したりする始末でした。

もともと日本と中近東は距離的にも離れているので、自分が積極的に動かない限り、それほど多くの中近東の情報を手に入れることはできません。しかし、貴局の放送を聴き始めてからは、イランを中心とした中近東の情勢がよくわかるようになったと思います。

また、日本のマスコミによる報道は、米国の立場から見たニュースを伝えるのが一般的ですが、貴局の放送はイランから見た立場の報道ですので、同じニュースであっても当然見方が変わってきます。その違いを知ることで、より深くイランのことを知ることができます。

更に貴局の放送はイスラム教のコーランに関する番組が多く、イスラム教が身近になったと思います。日本ではイスラム教と接する機会がほとんどありません。自分のイスラム教の接点は、自分がたまたま趣味のBCLが興じてマレーシアやインドネシアのイスラム圏の国に旅行したことがあり、そこで眼に入ったモスクの建物の美しさや現地で知り合いになったイスラム教を信仰している友人のことぐらいです。しかし貴局の放送ではコーランの内容について解釈された番組が多く、イスラム教の教義について知ることができました。

更に放送を通してイランの生活についても知ることができますが、生活様式が異なるものの、暮らし向きは日本とさほど変わらないということがわかりました。

 

山口:

イランについて、現在最も貴殿が関心をもっておられることは、どのようなことでしょうか?

 

山田さん:

イランはイスラムの国で、イランの人々はイスラムの教えを厳格に守って生活していますが、現代の西洋化の流れのなかでそれらの文化をどのように取り入れつつ、イスラム教えも守って生活しておられるのかに興味があります。

例えば、5月に「イラン服飾の歴史」の番組で放送された女性が身に着けるチャドルについて。基本は黒一色のチャドルを身に着けるが、最近では、様々なデザインのチャドルが販売されてきており、女性もおしゃれを楽しんでおられるということに興味を覚えました。

我々日本人は一般的に宗教心が薄い人々が多く、ある面自由きままに生活しているのですが、イランのようにイスラムの厳格な教えを守りながら生活しておられる人々は、このことについて、どのように考えて生活しておられるのか興味があります。

 

山口:

弊局に対するご意見、ご要望についてお聞かせください。

 

山田さん:

貴局の最近の受信状態は周波数により不安定なものもあり、内容が聴き取りにくいときがあります。しかし、貴局のHPは非常に充実しており、放送が聞こえなくてもインターネットで放送を聴くことができるうえ、過去の放送内容も番組ごとにまとめられており、とても見やすいと思います。

貴局は中近東で唯一の日本語放送で、そこから得られる情報はとても貴重なものです。単にBCLの愛好家だけでなく、広く世間一般にも貴局のことが広がってゆけばと思っております。

また、日本ではなじみが少ないイスラム教について放送している唯一の日本語放送です。キリスト教の宗教放送は短波でしばしば聞くことができますが、イスラム教について放送している日本語放送は貴局のみです。そういう意味で貴局は非常に貴重な存在です。イスラム教の教えについて放送していただくことにより、イスラム教に対する理解がより多くの日本の人々に広がってゆくと思います。

また、今回このようにインタビューの機会を設けていただき、大変ありがたく思っております。ラジオの放送を単に聴くだけでなく、放送局のスタッフの皆様とリスナーとの相互交流の機会が増えてゆけば、それをきっかけにイランとの相互理解も深まってゆくと思います。

         

 

 

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