2月 21, 2018 14:46 Asia/Tokyo
  • イランにおける知識生産活動
    イランにおける知識生産活動

この時間は、これまでの番組の総括の四つ目の部分、すなわち、世界の知的生産活動におけるイラン人学者の地位についてお話しします。

イランにおける知識生産活動の4つ目の部分では、研究業績データベースが、世界各国の科学的な状況や地位を決定する上で、最も重要な情報源であることをお話ししました。現在、世界にはいくつかの重要な研究業績データベースが存在し、さまざまな国の科学の発展を評価し、それに関する報告を公表しています。

 

研究業績の評価に関しては、これらのデータベースの情報をもとに、世界の知識生産の流れと、それぞれの国の役割を分析する数多くの専門家がいます。

 

これらのデータベースの統計によれば、現在、イランは、地域や世界で、知識の生産、拡散において最も力のある国のひとつとなっています。また、この20年、世界の知識の生産や拡散におけるイランの役割は増加しています。知識生産に関する世界ランキングの中で、イランは、多くの国、特に中東諸国よりも上位になっています。

 

この間、イランは、世界の知識生産ランキングの上位に位置する国々との距離を縮め、開発途上国との距離を広げました。言い換えれば、イラン人の学者は、国際レベルでの研究業績を増やし、世界における知識の生産や拡散に関するイランの地位を明らかに向上させ、ライバル国をリードしています。

 

サイエンスパーク

 

サイエンスパークや科学技術機関の設置は、各国の科学の発展の基準のひとつです。以前、番組の中で、イランにおけるサイエンスパークや科学技術機関の発展の流れについてお話ししました。これらの機関は、イランが地域や世界における地位を向上させる上で、重要な役割を果たしました。

 

2001年、イランに存在する科学技術パークの数はたった1か所でしたが、その翌年には8か所に増えました。この流れはその後、さらに加速し、およそ10年後の2013年には33か所に増加しました。

 

サイエンスパークの増加を受け、イランの科学技術機関も大幅に増加しました。2001年にイランで活動を行う科学技術機関の数はたった1か所でしたが、翌年には17か所に増え、5年後には43か所、10年後には131か所に増加しました。

 

また、サイエンスパークや科学技術機関に設置されている企業の数は、それぞれの国の応用研究の発展や商業化の度合いをはかる指標です。情報によれば、イランのサイエンスパークや科学技術機関に設置されている企業の数は、2003年の676社から、2013年にはおよそ3000社、つまり4倍に増加しました。

ルーヤーン研究所の活動

 

以前のこの番組の中で、イランの研究所のひとつであるルーヤーン研究所についてお話ししました。ルーヤーン研究所は、技術を生み出すだけでなく、イランや世界の多くの国の人々に貢献し、知識と信仰、神の道における努力を融合させ、イランの科学の方向性を決定する上での成功モデルとなっています。

 

ルーヤーン研究所の研究者らは、クローン技術と遺伝子組み換え技術を使って羊や牛などのクローン動物を生産することに成功しました。また、若い夫婦の不妊治療やES細胞の分野でも、世界の科学的な境界を破り、イランを優れた地位へと押し上げました。

 

また、航空宇宙の分野に関するイランの発展についてもお話しました。イランは世界の航空宇宙クラブに加わり、現在、衛星の設計、製造、打ち上げ、誘導、管理を完全に国内のみの力で行うことができ、このサイクルを完全に実施する世界で9番目の国となっています。

 

航空宇宙の分野に関するイランの発展

 

また、宇宙への生き物の打ち上げにより、イランはこの分野で成功を収めた世界で6番目の国となっています。イラン人の学者による論文は、2013年、参照された回数の点で、中東で2位でした。航空宇宙分野に関しては、1349本の論文により、このランキングにおいて中東で2位、世界で21位となっています。

 

また、基礎科学は、その他の科学の発展に大きく貢献することから、イランは科学技術の政策決定において、基礎科学に得に注目しています。以前の番組の中では、統計を示し、基礎科学の分野におけるイランの科学的な発展についてお話しました。

 

統計によれば、2000年から2014年までの間、イランの知識生産のおよそ4分の1が、基礎科学の分野の学者によって行われました。この分野の学者らは、知的生産活動の大部分を似ない、世界の科学の発展に大きく寄与しました。ウェブオブサイエンスによれば、イランの知識生産のおよそ半分が、基礎科学の学者によって行われているということです。

 

また、イランの学者は、およそ3000本の論文により、物理学の分野では117カ国の中で46位となっています。この努力の結果は、地域諸国や開発途上国だけでなく、北アイルランドやアイスランド、リトアニアなどの一部の先進国を上回っています。

ES細胞

 

イランは医学の分野への物質的、精神的な投資により、地域で健康、衛生、研究技術の中心地となっており、医学に関する多くの指標において、世界の境界を破っています。

 

世界のデータベースによれば、2016年、イラン人学者は、医学の分野で4700本の論文を発表し、中東・北アフリカで1位、世界で16位となりました。

 

イラン人学者の論文は、質の点で、世界の多くの国を上回っています。このランキングで、イランはロシアといった一部のヨーロッパ諸国を追い抜きました。

 

さらに、スコーパスによれば、ES細胞に関する科学論文に関して、イランは世界2位となっており、2007年から2017年の間に、ES細胞などの分野の論文の数は、155本から647本と4倍に増加しました。

 

イランの科学の発展は、およそ40年の間、最も厳しい国際的な制裁や政治的、経済的な圧力を受け、アメリカをはじめとする覇権主義体制が、イランの発展を妨げようとする中で達成されました。

 

こうした妨害にもかかわらず、現在、イランは神の助けと体制責任者や国民の強い意思により、知識や科学の分野で大きな発展を遂げています。明らかに、イスラム革命から生まれた宗教に基づく民主主義のモデルは、世界の虐げられた人々、特にイスラム諸国の圧政下にある人々にインスピレーションを与えうるものです。なぜなら、このモデルは、人々の社会公正、自由、独立の実現を保障するものであり、社会で信仰と科学が同時に発展するための土台を整えるからです。