2月 24, 2018 21:27 Asia/Tokyo
  • 魂の健康における祈祷の役割

今回は、魂の健康における祈祷の役割についてご紹介することにいたしましょう。

前回は、多くの医師たちの間で、健全な心を持ち、魂の健康を持つためには、初期段階での予防を真剣に捉えるべきだと考えられていることについてお話しました。初期段階での予防とは、病気の兆候がまだ現れていないうちに、これが出てこないよう努めることを意味します。

しかし、発病した場合には、これを抑制するために初期段階の治療が行われます。それでも病状が続き、これが慢性的なものとなった場合には、その疾病による影響を食い止め、合併症を防ぐための措置が強化されます。

今日、特に難病を初めとする病気の治療法の1つとして提案されているのは、祈祷療法です。すでによく知られているように、イスラムにおいて祈祷は極めて重視されています。このため、宗教書には多くの病気を治療するため、医学的な治療法に加えて、特別な祈祷も紹介されています。

西側諸国の社会では、数十年前まで、病気の治療に関しては完全に物理的な見解しか存在しませんでした。しかし、興味深いことに現在では、その西側社会において、もはや医師らが病気の治療に当たって患者の宗教信仰を軽視できないと断言する、多数の論文が発表されています。

 

祈祷をささげることは、病気の治療に重要な役割を果たしており、精神的な動揺を緩和し、体に病気を撃退する力を与えます。これに基づき、アメリカ・サンフランシスコの総合病院に勤務するランドルフ博士は、興味深い実験を行っています。

ランドルフ博士は、心臓内科に入院中の患者393名を2つのグループに分けました。いずれのグループを構成する患者も、年齢、性別、不整脈の度合いなどの点でまったく同じ条件を有していました。この2つのグループには、医薬品によるまったく同じ治療を施すとともに、そのうちの1つのグループには、祈祷の専門家による祈祷を実施させ、もう1つのグループには祈祷を行わずに、経過を観察しました。

それから10ヵ月後、驚くべき結果が得られました。祈祷療法を受けたグループの患者たちは、抗生物質の必要の度合いが、祈祷を受けなかったグループの患者のわずか5分の1しかないことが判明したのです。

 

 

さらに興味深い点として、アメリカの医学者・心理学者のポール・ピアソールの研究によれば、他人と全く交流を持つことなく、室内に閉じこもっている人については、情緒や特別な感情に関するエネルギーの中枢にあたる、チャクラと呼ばれる部分を通じて、エネルギーの交換が行われることがあげられます。このエネルギーの交換は、1人1人の心における情緒面での反応によるものです。こうしたエネルギーの交換や関係は、ある集団的な認識をもたらします。実際に、祈祷の際には、この集団的な認識が大きな治癒力生み出すことができます。

イギリス・ケント大学のウォルター・ウェストン博士の研究によれば、同時に発生するそれぞれのエネルギーの中枢の合力は、その1つ1つの2乗に比例して増加する事がわかっています。たとえば、それぞれが単独で祈祷を行った場合に比べて、同時に2人の人間が祈祷すると、2の2乗で1人分のエネルギーの4倍となり、10人が同時に祈祷を行った場合には、10の2乗により100倍のエネルギーが発生します。

 

アメリカの祈祷療法の研究者であるジャック・スタッキー博士は、コロラド州にある実験所において、人々の体の表面や脳における電子の活動の度合いを測定しています。この実験所からさらにおよそ1600キロ離れた、カリフォルニア州の実験所では、精神的な活動を行う人々の集団が祈祷を行っていました。この研究の結果、祈祷を施された人々の体内における電子活動は、祈祷を施されなかった人とは大きな違いが存在することが判明しています。

 

イスラムの教えの中で奨励されている事柄の1つに、体のどこかが痛むときに、これを和らげるには、その痛む場所に手を置いて祈祷を行う方法があります。これは新たな祈祷療法のテクニックとして知られています。この方法では、セラピストが患者の患部に手を当て、患者の回復を願って祈祷をささげます。このとき、セラピストの手のひらでは、特別な機材でも測定できる低周波あるいは電磁パルスの中心点が生じます。

また、病気の治療を促す祈祷のもう1つの側面として、患者自身が祈祷の中で、癒しの力のある唯一の絶対的な力として崇める神に立ち返るということが指摘できます。患者は、こうした祈祷において、自分の弱点や無力さを認めるとともに、病気にかかること、さらには死ぬことさえも、命の終焉ではないことに気づかされます。こうした抵抗のメカニズムは、特に慢性病の患者や、決定的な治療法のない病気の患者の生活の質の改善を助けることになります。

シーア派4代目イマーム・サッジャードの祈祷全集における15番目の祈祷、そして病気の際の神の礼賛には、次のように述べられています。

“おお、神よ!私に健康の醍醐味を味わわせてください。そして、あなたによる罪の赦しを得て、この病気から回復させてください。この悲しみから喜びへ、困難から解放へとあなたが私を導いてくださることを願います”

次回もどうぞ、お楽しみに。