3月 10, 2018 20:43 Asia/Tokyo

イスラム暦で預言者の娘ファーティマ・ザハラーの生誕日 イランの陶磁器産業とペルシャ絨毯 イスラム革命勝利記念日 ピョンチャン冬季五輪の開会式におけるイランの女性旗手

(山口)本日は、イスラム暦で預言者の娘ファーティマ・ザハラーの生誕日にあたり、これに因んでイランでは母の日、女性の日とされています。まずは、この日に際して祝賀の意を申し述べます。一方、日本ではひな祭りも過ぎて、お彼岸を迎えようとしています。そして、ちょうどこのお彼岸の時期は、イランでは春の新年ノウルーズに当たります。イランの暦でも、最終月のエスファンド月に入っていまして、こちらでは年末ということになりますから、もうそろそろ絨毯のクリーニングなどをはじめとする、年末の大掃除に取り掛かっているお宅も見られるようになりましたよね。それから、ちょうど2日後にはあの東日本大震災から早くも7周年を迎えることになります。まさに、光陰矢のごとし、ですね。

(福本)本当にそうですね。私はあの時は、震災の1週間後ぐらいでしたか、所用でどうしても一時帰国しなくてはならなくて、東京に住む妹たちからは「今は、東京周辺はかくかくしかじかの状態なので帰国するのはお勧めしません。が、どうしてもということなら、くれぐれも心してお帰り下さい」と念押しされての帰国でした。もう7年も経つんですね。

(山口)あの時の衝撃は今でもハッキリ覚えています。それから早や7年。日本も、世界も目まぐるしく動いていますが、世界の動きに取り残されないよう、日々色々なことに努力して、自分を高めていきたいと思います。

リスナーより

「制作番組・イランの市場では、陶磁器産業について紹介されていました。イランが陶磁器の生産で世界第2位であることなど、興味深く拝聴させていただきました。イランといえばペルシャ絨毯の地名度が高いのですが、陶磁器の生産においても世界的に市場で優位であることを知りました。イランの家庭で陶磁器は日常生活の必需品、家庭の調度品など、どのような利用方法がポピュラーなのでしょうか。ラジオ日本語の皆様は、陶磁器をどのように利用されていますか」

ラジオより

(山口)K・Oさん、いつもお便りありがとうございます。イランではお客様の出入りが多く、普通の食事をともにしたり、またラマザーン月の断食終了の夕食・エフタールを出したり、さらには食事を出さなくともお茶やお菓子、果物、ドライフルーツでもてなすことが普通ですよね。また、お客様の数も数名から、時には2、30人ということもありますので、そのような時のために、一般家庭でも来客用の食器はかなり数多く取り揃えているお宅がほとんどではないでしょうか。特にイランでは女性が結婚するときにも、嫁入り道具の1つとして来客用の食器のセットは欠かせないと思います。ほかにも、陶器製のインテリアなどを飾っているお宅が多いように思いますが、いかがでしょうか?

(福本)そうですね、お嫁入り道具の食器については、カトラリーから小鉢、フルーツ皿、スープ皿、ディナー皿にいたるまで、1ダース単位で揃えるんですよね。かつては中国製、フランス製などのセットをよく見かけたものですが、ここ何年かでイラン製の陶磁器も随分とデザイン的にも洗練されて人気が高いようです。それから、お宅を新しく購入した方にご招待を受けて初めてお伺いするときには、かならずお祝いの品を持参しますけれど、私の場合は、ご新居のリビングに映えるような花瓶ですとか、フルーツ用の大皿ですとか、そのような品を差し上げることが多いでしょうか。

(山口)それから、もうだいぶ前に確かイランの中学校だか高校で使われている社会科の教科書で目にした記憶があるのですが、イランは一般家庭用の家具、つまり引き出しや鏡台、洋服ダンス、ソファーなどの生産でも世界で上位にランクされているそうです。そういえば、イランには家具などの調度品や装飾、インテリアにもとても高尚な趣向と思われるものを選んでいるお宅が多いような気がします。

(福本)えぇ、イランのお家は日本に比べると天井も高いですし、家具が映えますよね。お呼ばれしてお伺いするお宅のインテリアを拝見するのも楽しみのひとつです。

(山口)あの色鮮やかな絨毯に見合うよう、家具もそれなりのものを揃えて、バランスが取れるようにしているのかもしれませんね。

 

ペルシャ絨毯

 

リスナーより

「日本語の皆様こんにちは、イスラム革命勝利39周年をお祝いいたします。本日の放送は特別番組で、記念日にちなんでイスラム革命一色の内容でした。大規模な行進が行われたとのことに興味を持ち、ParsTodayで記事を探したところ、盛大に行われている写真を見つけました。イラン国旗をまねて仮装した若者たちも何だか楽しそうですね」

「イスラム革命勝利記念日とのことで、おめでとうございます。革命とともに生きた方のインタビューが印象的でした」

「イスラム革命の行進は事前に学校や企業で練習するのですか?」

ラジオより

(山口)Y・Yさん、A・Nさん、M・Sさん、お祝いのメッセージにコメントを有難うございます。私も、革命記念日の行進を間近で、またテレビなどで見たことがありますが、これほどたくさんの人々が、1つの理念や大義名分を下に、全国一斉に団結して行進やイベントを行っている光景は、本当に壮観ですよね。日本ですと、学校の運動会のためにずいぶん前から練習、さらには予行練習など徹底して行っていますが、イランのこの革命記念日の行進は、特にそのための練習をしているとは聞いたことがありません。ですけれど、練習などしなくてももう十分、世界に誇る一大イベントになっていると思うのですが、いかがでしょうか?

(福本)おっしゃるとおりで、実はイランでは、市民が参加しての行進は、革命勝利記念日に限られないんですよね。ラマザーン断食月の最後の金曜日・世界ゴッツの日の行進もありますし、シュプレヒコールを声高らかに唱えながらの行進というものに、皆さん慣れているように思いますよね。革命記念日の行進はその最たるものだと思います。

(山口)本当に、革命記念日には、イラン全国がイランの三色旗である赤、白、緑の三色に染まって、まさにイラン人の愛国心が特によく具現されているのではないでしょうか。この一大行事も、来年は節目となる40周年を迎えます。そのときには、きっと例年よりもさらに工夫を凝らして、盛大に開催されるのではないでしょうか。今から楽しみです。

(福本)ラジオ日本語のガラガーニ課長の情報では、「イランは革命から40年目に入ったことから、これから40周年に向かって、革命関連の行事が盛んに行われるでしょうね」ということでした。私たちも注目していきたいと思います。

 

イランの旗

 

リスナーより

「イランの寿命の伸び率の高さに驚きました。医療体制と知恵でしょうね」

(山口)T・Oさん、お便り有難うございます。私も先日、イランの歯医者さんでクリーニングをしてもらいましたが、日本の歯医者さんとほとんど変わらない医療器材がそろっていまして、先生もとても上手でした。それから、もう何年も前に隣国のアゼルバイジャンを旅行してイランに帰ってくるときに、国境の入国審査でアゼルバイジャンの人々が沢山行列になって待っているので、この人たちは主にどういう目的でイランに来るのかと聞いてみたところ、そのほとんどが医療観光、つまり、イラン人のお医者さんの技術や診断力が優れているために、わざわざイランに治療を受けに来ているとのことでした。さらに、聞くところによれば、現在世界でもっとも優れた外科医の方はイラン人であるとのこと。しかも、アメリカの著名な病院の院長さんもほとんどがイラン人だとのことです。こうしてみてくると、イランはまさに医療大国といってもよいのではないでしょうか?

(福本)本当ですね。イラン人の寿命の延びにはそうした背景が大きく作用しているのでしょうね。毎週木曜にお届けしている番組、「イランの市場」でも医療ツーリズムについて取り上げたことがありますが、イランが注目されているのは技術に加えて医療費、滞在費などの点からもポイントが高いから、ということでしたよね。

(山口)一般の日本人の方には、このような話は驚きかもしれませんが、イランのこうした誇るべき長所が、世界的にもっと知られるとよいですね。

リスナーより

「ピョンチャン冬季五輪の開会式で、イランの女性旗手が新聞ほかで、話題になりました。彼女は入場行進のとき、感極まり涙している姿がほんの一瞬放送され、感動した、というもの。商業主義が前に出がちなイベントですが、彼女の涙でアスリートのご苦労が伝わったようです」

ラジオより

(山口)T・Oさん、お便り有難うございます。先のリオデジャネイロ・オリンピックの開会式でも、車椅子のアーチェリーの女性、ザハラー・ネエマティ選手が旗手を務めたことがとても印象に残っています。イランの女性のスポーツ選手は、競技に加えて、このようなところでも光っていますよね。

(福本)はい、ヘジャーブ・イスラム的な装いを守りながら、世界の頂点を目指して戦う彼女たちの姿にはいつも感動させられます。

(山口)そしていよいよ、ピョンチャン・パラリンピックも開幕します。

(福本)はい、今日9日が開会式ですよ!

(山口)オリンピック同様に、パラリンピックでも、日本とイランの選手の両方を応援していきたいですね。

(福本)また、たくさんの感動的なシーンが繰り広げられそうですね。楽しみです!

北川アナウンサーの音楽コーナー

リスナーインタビュー

ゲスト;ラジオネーム・ラジオの声の主さん

聞き手;山口雅代アナ

 

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