2018年3月16日 (福本・芝田) 【音声】
イラン暦のお正月ノウルーズについて紹介しましょう。
福本:
イラン暦のお正月ノウルーズまで1週間を切りましたね。
芝田:
そうですよね。気候もすっかり春の様相です。
福本:
ノウルーズを迎えるために欠かせないのが大掃除ですね。我が家では、一カ月前から少しずつ進めてきたのでカーテンも絨毯のクリーニングも無事完了しました。でもクローゼットやキッチンキャビネットの整理がまだ残っていて、ノウルーズ直前までお掃除で格闘する日々は続きそうです。芝田さんはノウルーズを迎える準備はいかがですか?
芝田:
以前に福本さんもおっしゃっていましたが、クリーニング屋さんなども込むので、大掃除は計画的に進めることが必要ですよね。それにしても、カーテンやじゅうたんのクリーニングが終了とは、うらやましいというか、すばらしいです。大掃除は一大決心が必要ですし、始めるときちんと終えなければならないですよね。。。毎日壁をにらみながら我慢比べをしていたんですが、先週のお休みの日には、ずいぶんと進めることができました。お正月はやっぱり、きれいな状態で迎えたいです。
福本:
それはお疲れ様でした!そう言えば、毎年この時期になると、新年の7つの縁起物ハフトスィーンや金魚を売る屋台が道端に登場しますよね。水槽の中をゆらゆら泳ぐ赤い金魚や趣向を凝らした縁起物の数々は見ているだけでも楽しいものですよね。
芝田:
確かにそうですよね。卵の飾りもきれいで、ついつい手が伸びてしまいます。かわいい置物も増えますし、あのお正月前の屋台は余計なお買い物をする誘惑に満ちています。
●リスナーより
最近のテヘランの天気は、雨が多いようですが、季節の変わり目の雨でしょうか?
イランの正月では、実家に帰る他に旅行に出かける方も多いと思われますが、どのような国や地域に出かけるのでしょうか?
●ラジオより
福本:
そうですね、一時期随分と雨勝ちのお天気が続きましたね。IRIBの敷地内でも既に春の花が咲いていますし、枝垂れ柳もすっかり芽吹いて風に揺れています。さて、イランのお正月の旅行についてお尋ねですが、確かにお正月休暇中はテヘランも人が少なくなって、名物の交通渋滞もなくて、逆に快適なんですよね。ではみなさん、どのようなところへおでかけなのでしょうか?
芝田:
イラン人に人気の旅行先は、テヘランの人たちですと、やっぱりカスピ海沿岸の海と森に囲まれた地域ですかね。友人の中には、トルコやドバイに行くという人も多いようです。私はいつもテヘランに残るのですが、本当に人が一気に減りますよね。どこに行くにも空いていますし、この時期のテヘランは過ごしやすくて好きなのですが、それを言ったら日本の知り合いに「お年寄りの発想だね」と言われてしまいました。
福本:
じゃ私も立派な年寄りということになりますね。そういえば、私は昨年のイランのお正月は日本に一時帰国していました。何年か振りに日本の桜を見ることができたのですが、日本の春の桜ってやはり感動しますよね。
芝田:
うらやましいですね。私はしばらく見ていないので、本当に懐かしいというか、あの桜の花びらが散る様子や新しい年度が始まる雰囲気を味わいたいなと思うことがあります。
●リスナーより
金曜広場では、イランでの受験情報が面白かったです。私の甥も高校卒業とのことで大学受験に挑戦しました。本人の納得のいく結果は出なかったようですが・・・。私の甥っ子なので貴局を聴くようぜひ勧めたいと思います。「架け橋になれ」とは言いません。理解者でいて欲しいのです。
●ラジオより
福本:
イランの受験事情について、今月2日放送の金曜広場で中村美香アナウンサーが詳細に解説していました。へぇーと思いながら私も放送を聞いていたのですが、芝田さんはあのようなイランの受験事情ってご存知でしたか?
芝田:
なんとなくは聞いたことはありましたが、やっぱり自分や身近な人が経験するのとただ耳にするだけなのとは違いますよね。ただ、イランにも日本のような大学受験があって、受験生たちが必死に勉強していることだけは、昔から聞いていました。
福本:
私の場合、イランの身近な受験生といえば、夫の姪がおととし受験で、学習塾に通って、自宅だと気が散るからといって図書館で勉強して、それを母親 ― 夫の妹ですけれど―、彼女がその都度車で送り迎えをして、それはもう、一家全員で姪っ子の受験をサポートしていた記憶があります。イランって親戚づきあいが濃いので、何かイベントがあると親戚一同顔を揃えるのが常なのですが、受験が視野に入ってきた頃から、姪っ子がそうした場に顔を見せる機会がめっきり少なくなって、両親が「あの子は受験を控えて勉強しているので今日は来られなくて申し訳ない」って、その度に皆に謝っていました。受験に対する必死さが伝わってきたものです。その甲斐あって、姪っ子は希望する大学に行くことができて、今は充実した学生生活を送っているようです。
芝田:
それはよかったです。おめでとうございます。
●リスナーより
昨日のことです。先月、雪で凍結し水浸しとなったアパート水没の手助けをした、地主のおばちゃんから赤飯と煮物の差し入れが届きました。二月上旬、水道管が破裂して「助けてほしい」とインターフォンが鳴りました。空き部屋の水道水入れ替えて水温上げて、帰りが遅い住民の部屋もすべての蛇口から水を出して対策しました。関東の水道屋は依頼殺到で呼んでも4日位は来ませんでした。地主さんが、「にいちゃん、ベランダから出てる丸いの何?」と。ループアンテナ分からないですよね~。そんな会話から老夫婦と話すようになりました。
●ラジオより
福本:
O・Tさん、地主さんに代わって大活躍だったのですね。そのお蔭で差し入れが届くようなお付き合いが始まって・・・。ご近所付き合い、日本では随分と希薄になっているとも聞きますが、こういうお話を伺うとほっとします。こちらイランでは何かとご近所さんとの交流の機会がありますよね。つい先日も我が家の上の階のご主人が、これこれの工具をお持ちでしょうか?と尋ねていらしてお貸ししたり、お子さんのバースデーパーティーを開いて遅くまで騒がしかったりすると、「夕べはうるさくて申し訳ありませんでした」って、ケーキを持ってきてくださったり。芝田さんの経験ではいかがですか?
芝田:
そうなんですね。。。私が住んでいる建物は、最近は若い人の一人暮らしが増えたせいか、入れ替わりが激しくなって、昔ほどのつきあいがなくなってきました。それでも、日本への一時帰国で留守にするときには、近所の人たちに声をかけて行きますし、顔を合わせたときには、短い世間話をしたりします。日本ではあまり見られないことではないでしょうか。
福本:
そうですね。日本ではせいぜいお天気の話止まりですものね。
●リスナーより
インタビューは、あとでこう言えばよかったかな、というのはいくらでも出てきますが、概ね満足しています。今後もリスナーさんの声を放送していただけると、とても良いと思います。また、過去のインタビュー番組のうち、放送スタッフの方のインタビューもとても良いと思いますので、日本人のほかに、日本、日本語に関わるイランの皆さんの声をこれからも取り上げていただけるとありがたいです。
●ラジオより
福本:
ラジオの声の主さん、番組へのご要望どうもありがとうございます。実は今週のインタビューコーナーは、ラジオの声の主さんのインタビュー、その最終回をお届けする予定だったのですが、ガラガーニ課長自ら「この時期に、ぜひ新番組の紹介を」という希望があって、今週登場してもらいました。
芝田:
ラジオの声の主さんのインタビュー最終回は、来週お届けします。引き続き、どうぞお楽しみに。
●リスナーより
火曜放送の「西側諸国における女性の位置づけ」の中で、男女差別について取り上げられ、職場の上級職に女性が占める割合が少ないことが放送されましたが、この問題は、日本でも同様です。ただし、40年近くサラリーマンをやってきた私の体験上から言うと、女性職員の皆が上級職を希望するわけではなく、将来に野望をもって上級職を目指す女性職員は少数です。これは、男性職員にもあてはまることです。これらの状況自体考えが古いとお叱りをいただきそうですが、遅ればせながら、この点の改善が必要だと感じました。
●ラジオより
番組への感想をありがとうございます。確かにこのテーマはなかなか奥深いと言いますか、一筋縄ではいかない部分がありますよね。単純に数値だけでは割り切れない部分もありそうです。ただ、この番組が一貫して問いかけたいことは、西側では男女平等を声高に訴えながら、実情は異なっているのではありませんか、というところだと思っているのですが、いかがですか。
芝田:
そうですね。もちろん、番組の切り口は毎回異なってはいるのですが、西側諸国の女性の実情を具体的なデータをもとに追及しているところはなかなか興味深いのではないでしょうか。
福本:
デリケートな問題に正面から向き合って、問題提起している番組ですよね。引き続きお聞きいただければ幸いです。