7月 08, 2018 20:34 Asia/Tokyo

この数年間、イエメンでは戦争が行われています。この不均衡の戦争では、女性や子供に対しても、陸から、空から、そして海からも砲撃やミサイル攻撃が行われています。イエメンでは、人々の家が破壊され、瓦礫の下敷きになった子供の呻きが聞こえてきます。

瓦礫の脇には、子供の遺体が見られます。子供たちはたとえ、瓦礫の下で死ななくとも、飢餓により死亡しています。国際機関が沈黙する中で、イエメンの子供たちは、風前の灯のような状態に置かれており、その叫びは決して誰の耳にも入ることはありません。一方で、家には若者はおらず、父親とともに国の防衛に赴き、サウジアラビア主導のアラブ連合のミサイルにより、殉教しているのです。

また、食糧も医薬品もありません。また、伝染病のコレラも全国的に蔓延しています。十分な衛星状況や、水、ガスもないのです。

現代人は、人道的なスローガンや通信技術の中で生きていますが、なぜイエメンの女性や子供に関するニュースは国際組織に伝わらないのでしょうか。国連はどこに存在するのでしょうか。世界では人権に関する美しい言葉が語られ、世界の人権に関する会合が開催されていますが、イエメンに関しては開催されているのでしょうか。

 

イエメンの空爆停止を求めて

 

2011年1月、イエメンで蜂起が起こりましたが、これは完全に国内のものでした。イエメンの人々はサーレハ大統領の独裁体制に対する抗議運動を大々的に行いました。最終的に、サーレハ大統領は人々の目覚めの波に抵抗することができなかったのです。

その結果、サーレハ大統領は2012年1月にイエメンから亡命し、人々による選挙が行われ、これにより、この年の2月、ハーディ大統領が就任しました。ハーディ大統領は、イギリス、エジプト、ソ連で学び、副大統領をつとめていました。この選挙は、60%の投票率となりました。

真の民主主義と汚職対策を求めていたイエメンの人々は、ハーディ大統領もサーレハ元大統領のように独裁者だったということに気づきました。ハーディ大統領の無能さと腐敗、そして彼がサウジアラビアと結託していることが明らかになると、イエメンの人々は新たに街頭に出て、ハーディ大統領の退陣を求めました。

イエメンのシーア派組織フーシ派は、人々の反対の先頭に立ち、また、イエメンの独裁体制との戦いの前線に立ちました。フーシ派は2015年、大統領宮殿を占領しました。このとき、ハーディ大統領は辞任し、イエメン南部のアデンに退避しました。彼は即座に辞任を撤回し、自身が正当なイエメンの指導者であり、アデンは暫定政権の首都であると発表しました。

一方、以前からイエメンの天然資源を狙っていたサウジアラビアは、この機会を侵略行為のために利用しました。サウジアラビアは昔から、アデンを掌握し、イエメンのバブエルマンデブ海峡を支配するという軽率な考えを持っていました。これは、サウジアラビアのサウード政権の大望だとされています。

サウジアラビアはイエメンでフーシ派が強大になることを恐れ、全力でフーシ派を弱体化させようとしましたが、常に失敗してきました。このため、サウジアラビアの国防大臣は、西側諸国の同調と沈黙により、イエメンを攻撃するとしました。

一部のアラブ諸国を伴ったサウジアラビアの攻撃は、2015年3月25日に開始されました。サウジアラビアの攻撃は、ハーディ大統領の支持を口実に行われました。サウジアラビアに滞在していたハーディ大統領は、自国の町や人々に対する軍事攻撃を支持したのです。

 

イエメンの空爆停止

 

現在、サウジアラビア連合によるこの違法な攻撃は数年にわたり続けられています。イエメンにおける民間人の虐殺、インフラの破壊、国際テロ組織アルカイダの勢力拡大は、イエメンに対する軍事侵攻による最も重大な結果です。病院、学校、大学などのイエメンのインフラの破壊は、イエメンに対する軍事侵攻の一例なのです。

サウジアラビアとその同盟国の侵略者は、人道支援がイエメンに入ることすら許可していません。サウジアラビア主導のアラブ連合は、アメリカ、イギリス、シオニスト政権イスラエルの支援により、イエメンを陸、海、空から封鎖しているのです。

現在、報告によれば、サウジアラビアとその同盟国の攻撃が4年目に入っている中で、イエメンの人道的状況は危機的な傾向にあります。イエメン保健省の関係者は、これまで数千人の民間人がこの戦争で死亡したと語りました。生きている人たちも、良い状況にあるとはいえません。全国的な飢餓に加え、コレラのような感染症も拡大し、イエメン人の命は脅威にさらされています。イエメンの空爆を停止するよう、強く訴える国際機関はひとつも存在しないような状態です。

注目に値すべきなのは、国際人権団体アムネスティ・インターナショナルが、最近になって、この攻撃について、サウジアラビア主導の連合軍による戦争犯罪の可能性があるとしたことです。アムネスティの報告では、サウジアラビアの指揮下にある軍隊が、国連の人道支援を載せた船舶を、イエメンの革命勢力の掌握する港に入る前に停止し、臨検を口実に、何ヶ月間も留め置いているということです。また、アムネスティの報告には、次のようにあります。

「しばしば、この臨検の際、人道支援の提供の手続きを深刻な形で混乱させている。このため、われわれの分析では、これはおそらく集団的な懲罰とみなされ、これは戦争犯罪に当たる」

一方で、イランイスラム革命最高指導者のハーメネイー師は、演説の中で、はっきりとこの侵略行為は国際的に訴追されるべき虐殺行為だとして、次のように語りました。

「1国における子供の殺害、住宅の破壊、インフラと国民の富の消滅は、大規模な犯罪だ」

 

ハーメネイー師

 

ハーメネイー師は、サウジアラビアはこの侵略行為の中で敗北したとして、サウジアラビアはイエメンで打ちのめされるとしました。

現在、イエメン各地、特に戦火の中にある都市の衛生状況の悪化や、飢餓や食糧の欠乏は、子供の命を標的にしています。ユニセフの現地事務所は、歴史上初めて、人道支援のための航空機の使用許可が得られなかったと発表しました。

また、200万人以上のイエメンの子供が、栄養不良に苦しんでおり、一分ごとに一人の子供が予防可能な病気で命を落としています。コレラの蔓延は、イエメンの数千人の子供の命を脅かしているのです。

ユニセフのヘルト・カッペラエレ中東・北アフリカ地域事務所代表は、声明の中で、1ヶ月だけで7万件のコレラの感染が報告されており、そのうちおよそ600人が死亡したとしました。また、コレラの蔓延が続けば、今後2週間でコレラの感染者は13万人に達すると予想しています。

カッペラエレ代表は、イエメンでまだ活動を行っている病院を視察した後、「最期のときを迎えている子供たちの痛ましい姿や、1キロにも満たない新生児が死と戦っているのを見た。新生児の多くは生まれたその日に死を迎えている。イエメンの戦争は、子供たちに対する戦争だ」と語りました。

イエメンは世界的な冷淡さや長期間の沈黙に抵抗しています。何もない中で戦っていますが、黙って屈することはありません。最近、フーシ派は、イエメン製のミサイルは日々射程距離を伸ばしていると発表しました。少し前にも、イエメンのミサイルがサウジアラビアの首都リヤドを攻撃しましたが、これは、サウジアラビアの若く未熟な支配者を苦境に陥れ、イエメンの子供の心に希望を与えたのです。

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