6月 24, 2019 00:07 Asia/Tokyo
  • スィースターンの人々
    スィースターンの人々

今回は、イラン南東部に住むスィースターンの人々についてお話しすることにいたしましょう。

多くの学者は、スィースターンの人々がイラン人、アーリア民族の起源だと考えており、他のどこよりも、古代のイラン人の言語と気質を維持しているとしています。スィースターン、あるいはザーボルの方言はイランの重要な方言の一つで、この地域の人々が話す言葉です。文化学の専門家によればこの方言は、古代ペルシャ語の有名な7つの方言の一つとされています。スィースターンの人々はイスラム教を信仰し、道徳や慣習の点では親切で謙虚、勇敢で率直な人々です。

 

スィースターンの人々は、その生活環境や地域の自然に注目し、シンプルで簡素、困難な生活に慣れており、持て成し好きなことで知られています。彼らは客人を家に迎え入れることを幸福と恩恵の源とみなし、客人の食事を幸運の徴だと考えています。スィースターンの人々は高齢者に対して特別な敬意を表します。

 

イラン各地の結婚式は、共通性がありますが、幾つかの違いもあります。各地の人々の風俗習慣を見ていく中で、これまでこの儀式について取り上げてきたことから、スィースターンの結婚式の慣習についてお話しすることにいたしましょう。

 

結婚式は、求婚から始まります。女性を選んだ後、男性の両親は求婚のために女性の父親のところに行きます。お茶を飲みながら歓談した後、男性の父、あるいは母が、「息子を子どもとして受け入れますか」と訪ねます。女性の父は数日間、親戚と話し合い、これに回答します。女性の父か母が期日に結婚に同意するか反対かを男性の家族に知らせます。合意となった場合、両家は婚資など金銭の問題について話し合いに入ります。その後、シャツや一連の衣装が男性の家族から女性に贈られます。

ある決まった日に、新婦の家族の女性たちが新郎新婦と共に、衣装やその他の結婚式に必要な道具を買いにバザールに出かけます。さらに、すべての同行の女性たちにも、自分自身で選んだシャツやチャドルが買い与えられます。新郎の家族は購入した新婦の服をしかるべきときに、特別な儀式によって新婦の家に運びます。

結婚式に親戚や友人を招待する際には、新郎新婦の家族から女性が一人ずつ選ばれ、招待客の家を回ります。その後、招待客は結婚式に参加するために準備をします。

スィースターンの人々

 

スィースターンでは、結婚の前夜をサルシュイー、あるいはハナーバンダーニーと呼んでいます。この夜、新郎側の女性たちの一人、通常は人生を朗らかに楽しく過ごしている女性がヘンナを練り、夜に向けて準備します。新郎側が用意した夕食を食べて、楽器で喜びの宴を開いた後、新婦の父の了解を得て特別な儀礼により、ヘンナを新郎の家から新婦の家に運びます。

結婚式は太鼓などの楽器と足踏みによって始まります。新郎側によって招待客すべてに昼食が振舞われます。通常、各村の招待客は集団になって結婚式場を訪れ、会場に近づくと、太鼓などの楽器を演奏し、参加者を歓迎します。婚約の過程が終わると、新郎の近親者が硬貨やノグルと呼ばれる砂糖菓子を新郎新婦の頭上にまき、これによって喜びを表現します。

この儀式が終わると、新郎は新婦の両親の手にキスをしにいき、その後で自分の両親にも敬意を表してキスをします。その後すべての参加者が祝辞を述べ、新郎新婦の幸福を祈るのです。

 

スィースターンの人々はめったに離婚しません。スィースターンの女性は、男性について様々な場面に参加し、男性と同じように、農業や畜産業に基づく生活において、重要な役割を果たし、ときに男性よりも重い責任を負います。つまり家事を行い、農作業や畜産業にも参加するのです。概してスィースターンの男性は女性たちに特別な敬意を表しており、彼らの間ではめったに離婚は起こりません。

 

スィースターン地域は、大衆文化の点で調査や議論に値します。スィースターンの地元の詩人による民謡は、この地域の村や町の社会に根付いており、清潔な鏡のように、この地域の人々の物質的、精神的人生を反映しています。スィースターンの民謡は一般に、地元の楽器と共に歌われます。この民謡では、地域の自然や川、高地、人々の生産活動について歌われています。スィースターンの人々の間には、多くの格言が広まっています。一つ例を挙げてみましょう。「我慢する者は、困窮しない」

 

スィースターンの男女の衣装には、ズボンとシャツがあります。ズボンは男女によって使用され、それを作るためには5メートルから6メートルの布を必要とします。通常、裾の5センチから10センチのところに刺繍が施されています。男性の服はゆったりとしていて、上下ひとつづけで、膝までの長さであり、農作業の際に着用します。男性は宴の際には短い、ぴったりしたシャツを着ます。女性のシャツも裾にひだがあるもので、スィースターンの女性たちは頭にベールやチャドルをかぶっています。男性たちは多くが頭を覆うためにターバンを使用します。

 

 

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