3月 22, 2021 16:30 Asia/Tokyo

イラン絨毯博物館は、同国でも非常に美しい博物館の1つで、手織り絨毯職人による芸術品が展示されています。この博物館は1977年に建てられました。博物館の建築はとても美しく、その外観は絨毯の織機に似ています。

イラン絨毯博物館は面積が3400m2に及び、2つのホールにラグやキリムと呼ばれる手織りの絨毯が展示されています。博物館の地上1階にあるホールは常設展示場となっており、2階のホールはキリムとラグの一時的な展示用として設計されています。

ここでは、非常に古い時代の最も貴重な絨毯やラグが保管されています。この博物館には約150枚の絨毯、ラグ、キリムが保管されています。これらはイラン中部カーシャーン、南東部ケルマーン、中部イスファハーン、北西部タブリーズ、北東部ホラーサーン、西部コルディスターンなどといった、イランの絨毯織りの重要な中心地すべてで織られたものが含まれています。これらの絨毯やラグはそれぞれが独自のスタイルで織られています。

博物館にある美しいラグの1つに、「ミールザー・クーチェクハーン・ジャンギャリー」と呼ばれる、130cm x 220cmの大きさのカシャーンの職人たちの手で織られたものがあります。このラグの中では、19世紀末から20世紀初頭にかけての国民主義者で立憲革命の闘争家であった人物・ミールザー・クーチェクハーン・ジャンギャリーが、軍服を纏い腰にピストルと剣を下げた姿で現されています。この絨毯が織られたのは、ガージャール朝の末期です。

バイスングル版シャーナーメ(王書)を描いたラグもこの博物館に展示されています。そこにはイランの豊かな文学、神話、宗教、文化、芸術の一片を垣間見ることができます。これらのラグはすべて、イラン西部ハマダーンにある、巨匠ムーサヴィー・セイラト氏の絨毯工房で織られたものです。それぞれのラグの上部余白には、それを織った職人の名前が織り込まれています。これらの絨毯絵画は26枚の絵からなっており、その製作に5年間が費やされました。

 

ラジオ日本語のユーチューブなどのソーシャルメディアもご覧ください。

https://twitter.com/parstodayj

https://www.instagram.com/parstodayjapanese/

http://urmedium.com/c/japaneseradio

タグ