10月 07, 2021 14:30 Asia/Tokyo

皆様こんにちは。このシリーズでは、イランで実際に使われているペルシャ語の生きたことわざや慣用句、言い回しなどを毎回1つずつご紹介してまいります。

今回ご紹介することわざは、「串も、焼肉のケバブも焦げないように」です。

ペルシャ語での読み方は、Na siikh suuzad na kabaabとなります。

皆様の中には、文字通りの表現からなんとなく本来の意味をご想像いただけた方もいらっしゃるかと思います。肉を串に刺して焼くときに、一方だけが焦げないように適宜ひっくり返し、肉のすべての面を満遍なく炎に当てるようにすることが、うまく焼くコツではないでしょうか。

この表現は、12世紀から13世紀にかけてのイランの神秘主義詩人アッタールの作品中に出てくるもので、両極端に走らず、何かの事件の当事者双方に対し穏健、中庸に接する、あるいは自分と相手方の主張の中間点で折り合いをつけることを意味しています。

イランの食文化における伝統的な焼肉・キャバーブ、そしてトルコ式の焼肉シシケバブなど、キャバーブという概念は今や西アジアの一大食文化を形成していますが、これを例えに使った興味深い表現だと思われます。

日本でも、何かの出来事に際して、どちらか一方の肩を取り持つのではなく、事を荒立てないために、あえて当事者双方とうまく接するという考え方は、世界にも共通しているのかもしれませんね。それではまた。

 

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