ペルシャ語ことわざ散歩(107)「あらゆる人は、あらゆる何かの仕事のために創られている」
皆様こんにちは。このシリーズでは、イランで実際に使われているペルシャ語の生きたことわざや慣用句、言い回しなどを毎回1つずつご紹介してまいります。
今回ご紹介するのは、「あらゆる人は、あらゆる何かの仕事のために創られている」です。
ペルシャ語での読み方は、Har kasii raa bahre kaarii saakhtandとなります。
このことわざは、文字通りの意味から何となくご想像いただけた方もいらっしゃると思われますが、日本語で言う「餅は餅屋」、「適材適所」に相当します。
まさに、専門外のことをしてもうまくいかず、専門家に任せるのがよい、また人それぞれ得手不得手、趣向やよりよくできること、向いていることに違いがあるので、その人その人にあったことをするのがよい、ということは日本でもよく知られています。
世界中どこでも、普通に考えて、例えば農業と医師の職業を兼業しているような人を聞いたことがあるでしょうか。また医学を1つをとってみても、内科と外科、眼科と耳鼻科はそれぞれ別ですし、これらについても両方診察します、という話は聞いたことはないのではと思われます。
確かに、不得意なこと、不慣れなこと、あまり好きでないことでもある程度はやらなければいけない場合もあるかもしれません。しかし、その分野についての知識や技能が十分でない素人がへたに手を出すと、かえって大変なことになる場合も多いのではないでしょうか。
また、ある人がせっかくある分野で素晴らしい才能を持っているにもかかわらず、全く関係のない別のことをせざるを得ないというのは、非常に残念なことですし、それはその人のためにならないばかりか、もっと大きな見方をすれば社会にとっての損失とも言えるかもしれません。
やはりできる限り、それそれが自らの資質や能力に適した物事を担当でき、周りや社会のためにもなるのが理想ではないでしょうか。それではまた。

