ペルシャ語ことわざ散歩(108)「1000本のナイフを作っても、そのどれ1つにも柄がない」
May 05, 2022 08:11 Asia/Tokyo
皆様こんにちは。このシリーズでは、イランで実際に使われているペルシャ語のことわざや慣用句、言い回しなどを毎回1つずつご紹介してまいります。
今回ご紹介するのは、「1000本のナイフを作っても、そのどれ1つにも柄がない」です。
ペルシャ語での読み方は、「hezarta chaghu misaze yekish daste nadare」
このことわざは、「口約束だけで当てにならない、またはいつも言葉で人を騙したり嘘をついたりするから信用してはならない」という意味で使われます。
ナイフやハサミ、包丁などの刃物をご想像いただければ、すぐお分かりかと思いますが、刃物は物を切ったり裁断する便利なものである一方、取っ手や柄がなかったのでは手を切ってしまうかも知れず、使い物になりません。
このほかにも、同じような意味を表す表現として、「1000着もの服を縫ったが、そのどれにも袖がない」、「1000人の頭に泡をつけたが、誰の頭も剃っていない」というものもあります。いずれも、文字通りの意味内容からなんとなくご想像いただけるのではないでしょうか。
また、1000という数字の代わりに100が使われることもありますが、意味的に大きな違いはなく、両方とも沢山の事柄を意味しています。
言葉上で人を騙したり、口約束だけで終わらせるのではなく、言動を一致させ、約束をきちんと履行して、「1000本のナイフを作って、その全てに取っ手がついている」信用される人格を身につけたいものですね。それではまた。
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