Pars Today
今年のノーベル平和賞受賞が決まっている日本被団協に、イラン化学兵器被害者支援協会とテヘラン平和博物館が祝意のメッセージを寄せました。
OPCW・化学兵器禁止機関の第106回執行理事会で、オランダ駐在のイラン大使が、イラクのサッダーム旧独裁政権の化学兵器計画を支援した外国の人物を訴追・処罰する必要性を強調しました。
イランのバーゲリーキャニー外相代理は、イラン・イラク戦争中の1987年6月28日に、サッダーム政権率いるイラク軍がイラン西部サルダシュトを化学兵器で攻撃してから37年になるのにあたって、「イランに対する化学兵器攻撃の実行者や責任者に対する訴追は、時の経過とともに忘れ去られるものではない」と述べました。
化学兵器の使用は国際条約で禁止されていますが、かつてのイラクのサッダーム政権は、イラン・イラク戦争でイラン側の国境の街を化学兵器で攻撃しました。
36年前の1988年3月16日、当時のイラクのフセイン大統領の指示で北部のクルド人居住地域・ハラブチェが化学兵器で攻撃されました。この攻撃では、ドイツなどの西側諸国が提供したマスタードガスやサリン、タブン、VXガスなどが使用されたことが後の報告で判明しています。
イラン北西部のサルダシュトは、イラクとの国境に位置する樫の森にかこまれた小さな街ですが、そこにはヒロシマ通りと呼ばれる場所があります。この場所を、日本からの客人たちが訪れました。
イギリス首都ロンドンの首相官邸前に、同国軍に関連した化学ガス流出事件の犠牲者らが集まり抗議しました。
イランのアミールアブドッラーヒヤーン外相は、「イラン・イラク戦争中に行われた、イラン北西部サルダシュトの町への化学爆弾の投下は、イラクの旧サッダーム・フセイン政権のこれ以上のない最悪の行動だった」としました。
イラン司法府人権本部のガリーブアーバーディー書記が、アメリカによる人道上の犯罪および、イラン・イラク戦争中における当時のイラク・サッダーム政権に対する同国の支援について言及し、「(イラン北西部・西アーザルバーイジャーン州)サルダシュトで行われた化学兵器使用という犯罪について、これに関わった国々の役割と責任を認定すべきだ」と強調しました。
OPCW化学兵器禁止機関のフェルナンド・アリアス事務局長が、「イラン北西部サルダシュトの悲劇が繰り返されないよう、化学兵器は完全に廃絶される必要がある」と語りました。