北朝鮮が長距離巡航ミサイル試射、キム・ジョンウン氏が指導
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北朝鮮の長距離巡航ミサイル試射
北朝鮮の朝鮮中央通信が、同国が「長距離戦略巡航ミサイル」2発の試験発射を行ったと報じました。
韓国ヨンハプ通信によりますと、北朝鮮の朝鮮中央通信は13日木曜、キム・ジョンウン朝鮮労働党総書記が前日に戦術核運用部隊の長距離戦略巡航ミサイルの試射を現地指導した、と報じています。
ミサイルは2発発射され、黄海の上空に設定された楕円(だえん)と8の字型の飛行軌道に沿って2時間50分34秒かけて2000キロ飛行し、標的に命中したということです。
朝鮮中央通信はまた、この長距離戦略巡航ミサイルの発射実験は「戦闘的な性能と威力を一層高め、全般的な作戦運用体系の信頼性と技術的安定性の確証を再度得ること」に目的が置かれた、と伝えました。
キム総書記は「敵たちを一挙に制圧できる徹底した実戦準備態勢を今一度立証した」として今回の結果に満足を示しこの日のミサイル発射を「敵たちに再び送るわれわれの明白な警告」と強調しています。
北朝鮮は韓米合同演習などに反発し、キム総書記が立ち会う中、先月25日から今月9日にかけ中・長距離弾道ミサイルを相次ぎ発射したのに続き、さらに巡航ミサイルも発射しています。
もっとも、韓国軍当局は北朝鮮の今回の巡航ミサイルを探知したものの、国連の対北朝鮮制裁決議違反ではないことから即時の公表を差し控えた模様です。
一部の有識者は、主な標的は在日アメリカ軍基地などとみられ、有事の際には弾道ミサイルと組み合わせて発射される事態も考えられるとして、日本にとって新たな脅威だと指摘しています。
今回の件について、松野官房長官は、13日午前の記者会見で「当該ミサイルは地域の平和や安全を脅かすもので懸念を有している。現時点において、関係機関からの被害報告などの情報は確認されていない」と述べました。
そのうえで「今後の北朝鮮の軍事動向について、引き続きアメリカや韓国などと緊密に連携しながら必要な情報収集、分析、警戒監視に努めていく」としています。