中国デジタル人民元の取引額が1000億元を突破
10月 13, 2022 16:50 Asia/Tokyo
中国の中央銀行に当たる中国人民銀行が、デジタル人民元を利用した取引額が8月31日時点で1000億元(139億ドル)を突破したと発表しました。
ロイター通信が上海から報じたところによりますと、中国人民銀行の12日水曜の発表では、15省・市の試験地区で3億6000万件の取引が行われ、560万以上の商店がデジタル人民元での支払いに対応できるようになったということです。
試験地区では2022年、30回近くデジタル人民元補助金が提供されました。
人民銀はまた、BIS国際決済銀行が開発したクロスボーダー(越境)の「複数中央銀行デジタル通貨(mCBDC)ブリッジ」テストに参加し、香港のデジタル決済システムとの接続テストを実施したと明らかにしています。
デジタル人民元はこれまで主に国内のリテール決済に利用されてきましたが、今後は法人・個人事業、金融・税制・政府関連での利用を促進するということです。
さらに、アリババ・グループの「アリペイ」とテンセント・ホールディングスの「ウィーチャットペイ」が支配する従来のデジタル決済システムとデジタル人民元システムを接続し、消費者と商店にとってより便利なものにするとも表明しました。
円安が進む一方、一部の国の間の通商取引ではドル建て決済が廃止され、それぞれの国の通貨の利用が進むなど、国際舞台では通貨の多極化が進んでいます。
こうした中、世界での中国元の位置づけや影響力がどのように変化していくかが注目されそうです。