12月 05, 2022 16:22 Asia/Tokyo
  • 故中村哲氏
    故中村哲氏

アフガニスタンで医療活動に従事してきた日本人医師・故中村哲氏の殺害から3年目を迎えた先日、在アフガニスタン日本大使館が同氏の事業を推進させていく意向を示しました。

タスニーム通信によりますと、現地の人々の間で「カカ・ムラド」として知られていた中村氏は、数十年の長い期間にわたりアフガニスタンで医療活動を行い、同国の人々に貢献してきましたが、2019年12月4日に同国東部ナンガルハル州の中心都市ジャララバードにて、テロ攻撃により殺害されました。

中村氏はアフガンで、現地事業体のPMSピースジャパンメディカルサービスの責任者も務めていました。同団体は、病気の背景に慢性の食糧不足と栄養失調があることから、ナンガルハル州やクナール州を含むアフガン各地で、沙漠化した農地の回復を目的とした灌漑事業やPMS方式取水技術の普及などの活動も行い、何十万人もの人々を貧困から救いました。

在アフガン日本大使館は、中村氏の殺害から3年目を迎えるにあたり、「同氏は残念ながら亡くなられたが、彼が進めていた事業はアフガンおよび日本の同僚によって続けられている」としました。

また、「同様の方式を、アフガンの他の地域にも普及させたいと考えている」と続けました。

73歳で亡くなった中村氏は、1984年にハンセン病患者の治療のためにパキスタンへ渡りましたが、2年後にはアフガンに拠点を移し、同国の奥地にある村の1つにおいて、非政府組織の医療団体であるPMSの診療所を立ち上げました。

しかし2019年12月4日、中村氏はジャララバードで車に乗り職場へ向かう途中で、武装した複数人の男に襲撃されました。その功績により数か月前にアフガンの名誉市民権も授与されていた中村氏は、同乗していた他の5人とともに死亡しました。この襲撃については、現時点までどの組織も犯行声明を出していません。

中村氏の殺害は、アフガンの人々の間に怒りの渦を巻き起こしました。同氏は人生のうち約30年間をナンガルハル州を中心としたアフガンで過ごしており、現地の人々からも大きな支持をうけて、親しみをこめて「中村のおじさん」を意味する語がなまった「カカ・ムラド」の名で呼ばれ親しまれていました。

 


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