支援団体、「インド沖のロヒンギャ難民船で最大20人死亡」
12月 22, 2022 17:33 Asia/Tokyo
ミャンマーのイスラム教徒少数民族ロヒンギャの難民を乗せたボートがインド沖で2週間にわたって漂流している問題で、支援活動団体は最大20人がこれまでに飢えや喉の渇きで死亡したと明らかにしました。
ロイター通信が21日水曜、報じたところによりますと、このボートには少なくとも100人が乗っています。
この問題について、ロヒンギャ族を支援するアラカン・プロジェクトの責任者は「おそらく20人が死亡したと推測している。飢えや喉の渇きで亡くなった人もいれば、自暴自棄になって海に飛び込んだ人もいる。非常にひどい状況だ」と述べました。
また、アジア太平洋難民権利ネットワークのロヒンギャ作業部会の議長は「これらの人々は食料も水もなく、2週間以上も破損した船で漂流している。最大で16人がすでに死亡した可能性があると聞いている」と述べています。
ミャンマー西部ラカイン州のイスラム少数民族ロヒンギャ族は2017年8月下旬以降、政府軍の弾圧や過激派仏教徒の暴力を逃れて、隣接するバングラデシュ南東部コックスバザール県に数十万人規模で流入しました。
この民族は「世界で最も迫害された少数民族」と呼ばれ、過去の流入と合わせて同県内に累計100万人滞留しており、ミャンマーへの帰還の見通しが立たない中、今も過酷な避難生活を続けています。
さらに、ミャンマーでの暴力やバングラデシュの難民キャンプでの過酷な環境から逃れるため、多くのロヒンギャ難民が毎年危険を冒して海を渡りマレーシアを目指しています。
なお、日本の難民支援国際NGO・AARJapanによりますと、日本でも群馬県館林市を中心に約300人のロヒンギャ族が暮らしています。