韓国政府がイラン大使呼び大統領発言を説明も、外交問題への飛び火懸念
-
韓国のユン・ソクヨル大統領
韓国政府が、ユン・ソクヨル大統領によるUAEアラブ首長国連邦訪問時の発言に関し、駐韓イラン大使を呼んで韓国政府の立場を説明しました。
韓国ヨンハプ通信によりますと、韓国外務省のイム・スソク報道官は19日木曜の定例会見で、ユン大統領がUAEに派遣されている韓国軍部隊を訪問した際に「UAEの敵はイラン」と発言したことに関し、駐韓イラン大使を呼んで政府の立場を重ねて説明したと明らかにしました。
それによりますと、19日にチョ・ヒョンドン第1次官が、シャベスタリー駐韓イラン大使を呼び出し、「ユン大統領の発言はUAEで任務を遂行している韓国の将兵を激励するためのものであり、韓国とイランの関係などイランの国際関係とは無関係だ」とする立場を改めて説明したということです。
尹大統領は今月15日、国賓訪問したUAEで韓国軍部隊を訪れ、将兵を激励しながら「われわれの兄弟国であるUAEの安全保障はすなわち、われわれの安保」と述べました。
また「UAEの敵、最大の脅威はイランで、われわれの敵は北(朝鮮)」とし、韓国とUAEはよく似た立場にあると語っています。
一方で、ナジャフィ・イラン外務次官は現地時間の18日水曜、ユン・ガンヒョン駐イラン韓国大使を呼び出してユン大統領の発言に抗議しました。
さらに、ユン大統領のこの発言については韓国野党から強い批判を招きました。特に韓国最大野党「共に民主党」のイ・ジェミョン代表は、1962年に韓国と国交を結び友好関係を保ってきたイランを敵に回したと映りかねない発言だとし、ユン大統領の今回の発言を「外交惨事」だと批判しています。
ユン大統領の発言を巡り、韓国とイランが互いに大使を呼び出す事態となり、外交問題への飛び火が懸念されています。