豪、米バージニア級攻撃型原潜の購入を計画

安全保障協力の枠組み「ＡＵＫＵＳ（オーカス）」を米英と組むオーストラリア政府が両国から原子力潜水艦の導入を図っている問題で、米国製のバージニア級攻撃型原潜の少なくとも４隻の購入を計画しています。

米CNNによりますと、この問題に通じる３人の関係筋が9日木曜までに明らかにしたところでは、原潜の引き渡しは２０３０年代になる可能性があります。

バージニア級は旧式化したロサンゼルス級の後継艦で、高速力を誇り、弾道ミサイル搭載の潜水艦と異なり、機雷や巡航ミサイルなど多数の様々な兵器の装備が可能であるほか、特殊部隊の搬送もでき、諜報（ちょうほう）収集や偵察活動もこなすという特徴があります。

豪州による原潜の調達は、太平洋で軍事力増大を進める中国に対抗する枠組みとみなされているオーカスを象徴する計画ともなっていました。

中国とオーストラリアの関係は近年、特にオーストラリア側からの新型コロナウイルスの起源調査要求、台湾問題、および米英豪によるAUKUS協定の締結といった問題をめぐり緊迫化し、軋轢を抱えています。

アルバニージー豪州首相は８日水曜、訪問先のインドで原潜導入問題に言及し、調達後の原潜の運用について豪州が「絶対的な主権を行使する」と考えを表明しました。

ロイター通信によりますと、アルバジーニー首相は今月13日に米カリフォルニア州サンディエゴでバイデン米大統領およびスナク英首相と会談し、２０２１年に結成を発表したオーカスを深化させる次の措置などを話し合う予定です。

AUKUSは2021年9月に初めて発表され、この地域で勢力を拡大している中国に対抗する試みと見なされており、中国から非難されています。

同時に、英紙ガーディアンは8日水曜、複数の匿名筋の話として、「英政府は、自国が設計した原子力潜水艦をオーストラリアに売却する試みに成功した」と報じました。

関係筋によると、豪州はまた、英国との間で新たな原潜の開発に取り組む見通しともなっており、米国製の部品を活用する可能性があるということです。

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