ロシア・北朝鮮首脳会談に米当局が動揺
(last modified Thu, 14 Sep 2023 09:35:42 GMT )
9月 14, 2023 18:35 Asia/Tokyo

北朝鮮のキム・ジョンウン朝鮮労働党総書記のロシア訪問、および同国プーチン大統領との会談が米政府府内で懸念を引き起こしており、米国当局者からは矛盾した反応が出ています。

キム総書記は12日火曜、2019年以来初めてロシアを訪問し、同国ボストーチヌイ宇宙基地でプーチン大統領の歓迎を受けました。

キム氏は特別装甲列車でロシアに入国した後、「この訪問は北朝鮮がロシアとの二国間関係の戦略的重要性を優先していることを明確に示している」と述べました。

ロシア大統領府のドミトリー・ペスコフ報道官は、プーチン大統領とキム総書記が北朝鮮の宇宙飛行士の訓練と宇宙への派遣について話し合ったと発表しました。

また、「北朝鮮側が望めば、同国の宇宙飛行士を訓練して宇宙に派遣することも可能だ」とししました。

さらに、「ロシアと北朝鮮が軍事協力や各種兵器の供与について協議しているか」という質問に対し、「我々はあらゆる問題について交渉中だ」と回答しました。

一方、今回のロシア・北朝鮮首脳会談に対してアメリカ当局者らは相反する反応を示しました。

 

グリーンフィールド米国連大使は、ウクライナ戦争と同時期のロシア・北朝鮮間の協力はロシアが「自暴自棄になっていること」の表れであると述べました。

 

 

ホワイトハウス国家安全保障会議のカービー戦略広報調整官は、北朝鮮とロシアの協力関係の増大に懸念を表明し、「我々は北朝鮮に対し、ロシアによるウクライナ戦争を支持しないという公約を果たすよう引き続き求めていく」と語りました。

 

 

さらに、ホワイトハウスのサリバン大統領補佐官(国家安全保障担当)は記者会見で、「北朝鮮が対ウクライナ戦争で使用する武器をロシアに供与すれば、この行動は北朝鮮にとって良い結果をもたらさず、同国が代償を支払うことになるだろう」と脅迫的な口調で表明しました。

 

 

米国務省のミラー報道官も「北朝鮮・ロシア間の武器売買を支援する複数の組織に対し、我々はすでに制裁を加えており、必要であれば追加措置も辞さない」と語りました。

しかし、こうした米当局者の反応でロシアと北朝鮮の深い関係がかく乱されることはなく、キム総書記はロシア大統領を適切な時期での訪朝に招待し、プーチン氏もこの招待を快諾しました。

 

 

一方で、ロシアのラブロフ外相はテレビのインタビューで、今後は北朝鮮への制裁を許さないと述べました。

また、「西側諸国は、制裁という手段と並行して、政治的な手段も実行され、北朝鮮における人道問題も解決されると約束していたが、これらの保証と約束は虚偽だった。この約束の反故により、国連安保理での対北朝鮮決議採択を狙った工作は失敗した」と語りました。

そして、「2022年5月、米国は対北朝鮮制裁に関する安保理の定期決議案の採択を望んでいたが、ロシアはこの決議案に拒否権を行使した」としました。

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