カザフ最新情勢;抗議者と治安部隊が衝突し数十人死亡
中央アジア・カザフスタンで、市民の抗議行動により数十人の死亡者が出ました。
カザフスタン保健省の発表によりますと、国内各地で1000人以上が負傷し、そのうち400人が病院に搬送され、62人は重症だということです。
カザフ国営テレビが6日木曜、報じたところによりますと、同国ではこの数日間に数百人の抗議者と警察隊が、同国最大都市アルマトイ市内の主要広場になだれ込んで衝突しています。
現在、カザフでは四方八方から銃声が轟いており、インターネットが遮断されています。
トカエフ・カザフ大統領も、同国首都ヌルスルタンから避難はせず、国民に寄り添い続けると宣言しました。
ロイター通信によりますと、パシニャン・アルメニア首相は6日、「CSTO集団安全保障条約機構の平和維持軍が、抗議行動後のカザフの安定化支援のために派遣されるだろう」と語りました。
これに関して、一部の情報筋はカザフ国内での事態収束のため、CSTOの枠組みでロシア軍がカザフに入ったと伝えています。
カザフでの最近の騒乱を受け、トカエフ大統領はCSTOに支援を要請していました。
CSTOはカザフのほか、ロシア、ベラルーシ、アルメニア、キルギス、タジキスタンの各国で構成された軍事同盟組織です。
タス通信やロイター通信によりますと、カザフ政府は、自動車燃料などに使われるLPG液化石油ガスの価格統制が生産者に損失を与えているとして、今月1日から価格統制を撤廃し、これによりLPG価格は従来の約2倍となる1リットル当たり120テンゲ(約32円)に上昇しました。
これを受け、今月2日から同国西部の都市などで抗議デモが発生し、全国各地に波及しました。
現時点のレートでは1ドル=435.59テンゲとなっています。
カザフでは首都ヌルスルタン、および国内最大の都市アルマトイに加えて、他の多くの都市でも5日水曜、液化石油ガス値上げに反対する人々と警察の間の衝突が目撃されています。
なお、抗議者との衝突とトカエフ大統領の自宅への放火により、8人の治安部隊が死亡しました。