円が一時160円台に下落、流動性低下と日米金利差で円売り加速
(last modified Mon, 29 Apr 2024 05:32:50 GMT )
4月 29, 2024 14:32 Asia/Tokyo
  • 円が一時160円台に下落
    円が一時160円台に下落

外国為替市場で円相場が29日月曜午前10時半ごろ、一時1ドル160円台に下落し、1990年以来実に34年ぶりの安値圏を更新しました。

米国際情報サイト・ブルームバーグなどの報道各社によりますと、円は対ドルで一時約1%以上下落し160円17銭をつけました。

日銀は先週の決定会合で金融政策の維持を決定し、市場では植田総裁が円安進行に踏み込んだ発言をするという観測が広がっていましたが、会見では、円安の進行が基調的な物価上昇率に与える影響は無視できる範囲との認識を示しました。 これを受け、日米の金利差が当面縮まらないとの見方が広がり、より高い金利で資金を運用しようと円を売ってドルを買う動きが強まり、円安が急加速していました。

インフレ低下に大きな進展がない米国では、FRB米連邦準備制度理事会の利下げ観測が後退しました。ドル買いに拍車がかかる中、来月1日のFOMC米連邦公開市場委員会に加え、政府・日銀による円買い介入の有無に市場の注目が集まっています。

この問題について、クレディ・アグリコルCIBシニア外為ストラテジスト、デービッド・フォレスター氏(シンガポール在勤)は、「市場は引き続き財務省の介入の本気度を試しているが、財務省も今週のFOMCを前に、準備金を無駄遣いしたくないだろう」との見方を示しました。

今週、アメリカFRBも金融政策を決める会合を開きますが、政府・日銀がどこまで円安が進めば為替介入に踏み切るのか、市場では一段と緊張感が高まっています。

 

 


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