イラン最高指導者がプーチン氏と会談、「NATOは危険な存在も一般人の戦争巻き添えは望ましくない」
イランイスラム革命最高指導者のハーメネイー師が、同国を訪問中のプーチン・ロシア大統領と会談し、NATO北大西洋条約機構を危険な存在だとした上で、「わが国として、一般人が戦争に巻き込まれれば、それは決して快いものではない」と語りました。
ハーメネイー師は19日火曜午後、プーチン氏およびその随行団と会談し、ウクライナ情勢に関して「戦争は、野蛮かつ過酷な事象であり、わが国は一般人がそれに巻き込まれることを決して快く思っていない。だが、ウクライナ情勢に関して、あなたが率先的行動をとっていなかったならば、相手側が戦争勃発の原因になっていただろう」と述べています。
また、「西側諸国は、強力な独立国家ロシアに総合的に反対している」とし、「NATOの前に道が開けていれば、この機構は節度や境界というものが分からず、ウクライナで阻止されなかったら、彼らはしばらく後にはクリミア半島を口実に、今のような戦争を展開していただろう」としました。
そして、シリア問題を極めて重要なものだとし、「イランの立場は、シリアに対する軍事攻撃への反対、そしてその阻止である」と強調し、「シリア問題におけるもう1つの重要な課題は、アメリカ軍によるユーフラテス川以東の産油地帯や肥沃な地域の占領である。この問題は、アメリカ軍をこれらの地域から撤退させることにより解決される必要がある」と語っています。
さらに、シオニスト政権イスラエルに対するプーチン氏の最近の立場表明を賞賛すべきものだとしました。
続けて、「アメリカと西側諸国は今日、以前よりも脆弱化しており、膨大な費用やエネルギーをつぎ込んでいるにもかかわらず、シリアやイラク、レバノン、パレスチナをはじめとした我々の地域における彼らの政策上の勝利は、非常に少なくなってきている」と語っています。
ハーメネイー師はまた、「世界的な出来事はわが国とロシアに、日々増大する相互協力の必要性を示している」とし、「特に西側の制裁を受けてのわが国とロシアの経済協力は、両国にとっての利益となる、必要不可欠のものだ」と述べました。
そして、イラン・ロシア関係において米ドルの代わりに他の通貨や両国の通過を使用する政策を認め、「米ドルは、国際取引から段階的に排除されるべきである。米ドルの段階的な廃止は可能だ」としています。
最後に、西側の欺瞞行為に対して賢明に対応する必要があるとし、「アメリカは過剰な要求を押し付けてくると同時にずる賢く、旧ソ連崩壊の原因の1つは、アメリカの政策に欺かれたことにある。もっとも、あなたが政権を握っている現在のロシアは、自らの独立性を維持している」と結んでいます。