核合意最新情勢:イラン外相、「アメリカは現実的な対応を」
イランのアミールアブドッラーヒヤーン外相は、「アメリカが現実的に対応すれば、イランに対する圧制的な制裁の解除に向けた合意の到達は可能だ」と述べました。
イルナー通信によりますと、アミールアブドッラーヒヤーン外相は26日金曜、東アフリカ・ザンジバルのムウィニー大統領との会談で、「イランと交渉相手諸国は、合意到達のために最終段階を踏んでいるところだ」と述べました。
また、「我々は、残された課題であるIAEA保障措置(セーフガード)問題に対しては極めて真剣であり、IAEAが提示した根拠のない疑惑が残り続けることは一切容認できない」としました。
一方、イランのレザーイー経済担当副大統領も、制裁や経済圧力を欧米の手元に残る最後の矢だとし、「彼らは核合意を受け入れる以外に道はない」と述べました。
レザーイー氏はその上で、「核合意がいまだ結論に至っていない中、世界の多くの国がイランと通商関係を持とうと努力している」としました。
そして、「イランの外貨収入は2倍になった。制裁が続き、核合意が未だ結論に至っていないにもかかわらず、非石油輸出は大きく飛躍し、多くの国がイラン製品を輸入している」と述べました。
こうした中、2015年の核合意成立以来常にこの合意に対して否定的な姿勢をとってきた、シオニスト政権イスラエルとその米国内のロビー勢力は、現在アメリカの核合意復帰の可能性が高まっていることをうけ、バイデン政権を合意復帰から翻意させようとしています。
イスラエルのガンツ戦争大臣は25日木曜、訪米を前に、「(現在妥結案をさぐっている核合意は)イランの能力を数年前に戻すこともなければ、今後数年にわたって制限することもない」とし、「それは世界と地域の安全を損なう」と語りました。
ウィーン協議の最新ラウンドは今年8月4日から8日まで開催され、調整役のモラEU欧州対外行動庁事務次長は、複数の提案を提示しました。この協議への当事国の大半が協議の早急の総括を求めているものの、最終合意の成立は、残された複数の重要な問題に関するアメリカの政治的決断待ちの状態です。