イラン大統領、「IAEAでのイラン問題の終結なしの合意成立は不可能」
(last modified Wed, 21 Sep 2022 08:03:50 GMT )
9月 21, 2022 17:03 Asia/Tokyo

イランのライースィー大統領が、「IAEA国際原子力機関におけるイラン問題の終結なしに、核合意の成立はありえない」とし、「ヨーロッパは、自らの政策がアメリカに縛られず独立していることを示す必要がある」と語りました。

イルナー通信によりますと、ライースィー大統領はマクロン仏大統領との会談で、「イランとは、公正で恒久的な合意を成立する用意がある」と強調し、「この合意の成立には、確信できる保証の獲得および、イランの保障措置上の問題の解決が必須だ」と述べています。

また、「ヨーロッパ側は、自らの政策が独立したものであり、米国の要求と政策の影響を受けないことを実際に示すべきだ」としました。

さらに、アメリカの核合意離脱および、核合意によるイランの経済的利益の保証という約束をヨーロッパ側が履行しなかったことに触れ、「米国が核合意から一方的に離脱し、その結果損害が生じたことから、安心させるような保証を求めるイランの請求は、完全に正当で理にかなったものだ」と語っています。

そして、「IAEA におけるイラン問題の未解決は、合意成立にとっての重大な障害だと考える」とし、「この問題に対するIAEAのアプローチは、他者の圧力や提案から乖離した技術的なものであるべきであり、我々はイラン問題の終結なしの合意成立は不可能であると考える」と述べました。

続けて、核交渉と同時に英独仏3カ国による対イランIAEA理事会決議要求を批判し、「これらのアプローチは非建設的であり、問​​題の複雑化の原因となる」としています。

ほかにも、「イランの地域的活動は平和を生み出し、ヨーロッパへのテロの拡大を防ぐ要素だ」とし、「今日、フランスで平和的に選挙が実施されているのは、イランが地域でのテロ撲滅に努めているからだ」と語りました。

一方、マクロン大統領もこの会談で、現在の協議に向けた一連の提案を提起するとともに、「IAEAがイランの完全な義務履行を認めた一方で、米国は 2018 年に核合意から離脱し、ヨーロッパの関係国も、核合意によるイランの経済的利益の獲得に向けた義務を履行できなかったのは事実だ」と認めています。

そして、核合意の進展のための作業継続が必要であるし、「イランとIAEAは共に協力することで既存の諸問題を解決できる。そして我々は、この点に関してIAEAに政治的圧力をかけるつもりはない」と語りました。

マクロン氏は最後に、ライースィー大統領をフランス訪問に招待し、「我々は、二国間関係の拡大と経済・地域問題における協力を強化できる」と結んでいます。

 


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