スウェーデンで収監中のイラン国民・ヌーリー氏の現在
(last modified Tue, 15 Nov 2022 06:31:32 GMT )
11月 15, 2022 15:31 Asia/Tokyo
  • ハミード・ヌーリー氏
    ハミード・ヌーリー氏

スウェーデンで収監中のイラン国民、ハミード・ヌーリー氏の子息が、父ヌーリー氏の心身状態の悪化について刑務所が調査を行っていないとしました。

ハミード・ヌーリー氏は2019年11月9日、スウェーデンに入国した際に同国治安部隊に逮捕され、現在は刑務所に収監されています。

ヌーリー氏は、34年前にイランで起きたとされる事件に関与した容疑でスウェーデン検察から告発されました。しかしこの件を訴え出た原告は、そのほとんどが反イランテロ組織・MKOモナーフェギンのメンバーでした。

スウェーデン司法当局は先日、ヌーリー氏の家族に対し、同氏とのきわめて短時間の面会を許可しました。

 

ヌーリー氏の子息、マジード氏は、国際通信イランプレスとの独占インタビューで、「これまでに幾度も追跡・申請が行われ、さらに父が60歳を超える年齢であるにもかかわらず、スウェーデン政府は父の心身の状態の調査を行っていない」と述べました。

続けて、「父は拘留されてから1100日以上にわたり、6~7mの独房に入れられている」と説明しました。

その上で、ヌーリー氏に対するスウェーデン政府の扱いがダブルスタンダード的であることから、弁護士を通じて強い抗議を伝えているとしました。

また、自分とその家族が25か月もの間、ヌーリー氏との面会許可を得られなかったとして、「この3年間で父と会うことを許されたのは、わずか7回だけだった」と述べました。

さらに、「弁護士が父と面会できるのは2週間に1回のみである一方で、反イラン的なドキュメンタリー製作者には、父やイランに批判的な作品が作れるように、簡単に面会許可を出している」としました。

そして、ヌーリー氏に課せられた一連の制限について説明し、同氏が1日に約30分間の戸外での散歩を許されているものの、この機会も多くの場合、さまざまな理由をつけて奪われているとしました。

また、スウェーデンでは事実上、国選以外の弁護士をヌーリー氏のために選ぶことが法律的に許されていないことを指摘し、「スウェーデンでは父のために領事サービスが行われなかった。父はスウェーデンに駐留するイラン大使と充分に連絡が取れなかった」と説明しました。

一方、ヌーリー氏が暴行を受けたかという質問に対しては、「父は、空港で飛行機を降りた際、4人の警官がひどいやり方で父を拘留し、暴行を加えたと話していた。一度は、起訴日に暴行を加えられた」と答えています。

最後に、スウェーデンでヌーリー氏が受けた裁判のプロセスは完全に一方的なものであり、証人の出廷許可も与えられなかったとした上で、「父は92日間の裁判で、自己弁護のためにわずか6日ないし7日、それも10分未満という時間を与えられただけで、適切な弁明の機会を一度も持てなかった」と述べました。

 

 


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