視点
国連人権理事会;独立諸国への西側の圧力行使手段
イランのアミールアブドッラーヒヤーン外相は、スイス・ジュネーブでの国連人権理事会会合において、「国連人権理事会は、本来の使命から乖離し、西側大国の政治的手段に成り下がっている」と語りました。
アミールアブドッラーヒヤーン外相は27日月曜、ジュネーブで開かれた国連人権理事会会合において、「一方的な強制措置は、違法で非人道的であることから、対象国の基本的人権を組織的に侵害することになる。米国の歴代政権はそのような一連の行動に責任を負うべきである。また、米国の一方的な強制に唯々諾々と追従したヨーロッパ諸国やその他の国々の責任も問われる必要がある」と語りました。
国連人権理事会や人権関連機関はここ数十年で西側諸国、特に米国を初めとする西側諸国によって常に悪用されてきた機関であり、これらの国は矛盾した政治的アプローチによって、イランのような独立国に自らの要求を押し付けるための手段としてこうした機関を利用しています。
こうした中、アメリカを筆頭とする西側諸国は、最大の人権侵害国です。シリア、イラク、イエメン、および世界の他地域での戦争におけるこれらの国々によるテロ組織への支援、またはパレスチナ人の人権および法的権利に反するシオニスト政権イスラエルへの最大限の支援は、こうした実例と言えます。
イランも1979年のイスラム革命の勝利以来、常にアメリカの非人道的な攻撃の標的となってきました。その例として、ペルシャ湾上空でのイラン旅客機に対するアメリカ艦隊の攻撃、イラン西部サルダシュトへの化学兵器による爆撃、著名なイランの政界・革命運動の要人の暗殺、1万7000人もの無辜のイラン市民の暗殺、経済制裁の行使および、イラン国内での騒乱・暴動への幇助などが挙げられます。
アメリカの反人道的行動の明白な例の1つとして、一方的な対イラン制裁が挙げられます。これは、他国への脅迫に加えて、サービス提供や保健医療機関の整備さらには、特殊な医薬品の販売の妨害・阻止を伴っています。これらの一方的な制裁は、人々の健康に悪影響を及ぼし、多くの患者の死亡原因となっています。この問題は、国連人権理事会の特別報告者であるアリーナ・ドゥハン氏の報告をはじめ、国連報告者による多数の報告でも言及されています。
言うまでもなく、人権向上を目指すイランの意志はイスラムの基準や憲法に基づいています。しかしその一方で、西側諸国は人権問題を自らの存在基盤とし、人権理事会を政治的目標に利用しようとしています。ですが、これらの国こそが人権の分野で醜悪な自らの経歴を積み重ねているのです。
このため、イラン外相は人道に反した一方的な西側諸国の強硬措置に言及し、「イランの人権について語る立場にある、あるいはこれについて云々する資格のある者は一人もいない。イラン人の人権を擁護しながら、彼らの健康、教育、生存面の基本的権利を奪うことは、偽善以外の何物でもない」と強調しているのです。