イラン原子力庁長官、「高濃度でのウラン濃縮の目的は制裁解除に」
(last modified Sun, 11 Jun 2023 08:25:18 GMT )
6月 11, 2023 17:25 Asia/Tokyo
  • イラン原子力庁のエスラーミー長官
    イラン原子力庁のエスラーミー長官

イラン原子力庁のエスラーミー長官が、「60%濃度でのウラン濃縮は、制裁解除を目的に行われている」としました。

イランはこれまで再三にわたり、同国の平和的核活動が、IAEA国際原子力機関の定例理事会の保障措置の枠内で行われている、と発表しています。

IRIB通信によりますと、エスラーミー長官は、「イラン国会は制裁緩和のための法案を可決した。この法の実施は明らかに、イランに対する責務や約束履行を敵に義務付けるための手段だった」と述べました。

また、「完全な国内技術による360メガワットの原発の建設も取り組み課題となっている」とし、「高い濃度でのウラン濃縮は、わが国に対する制裁を解除させる目的で行われている」と語りました。

制裁解除をめざす核協議は、昨年8月にオーストリア・ウィーンで開催されたラウンドを最後に、それ以降は中断されています。

アナリストは、バイデン米現政権が過去数か月にわたって核合意復帰に二の足を踏んでいる理由に、シオニスト政権イスラエルからの圧力、議会との意見の不一致、米国内の問題などの、いくつかの要因を挙げています。

また西側諸国は、この数か月間にメディア・プロパガンダ戦争を開始し、国益を主張するイランの抵抗を打破しようとしてきました。イランは、制裁解除交渉における主要な要求事項として、制裁解除の検証確認、核合意の存続に関する保証、IAEA原子力機関の保障措置関連の主張取り下げを提示してきました。

そして、いくつかの制限の見返りとしてイラン国民が実際の経済的利益を感じられるような、双方向的協定に戻ることこそが合理的であるという考えを明らかにし、そのようなものであれば受諾すると強調しました。

イランは、自国の核開発計画はあくまでも平和目的であり、核兵器製造の意図や計画はないと繰り返し表明しています。また、イランはNPT核兵器不拡散条約の加盟国であり、IAEA査察官も定期的にイランの核施設を視察し、イランの受け入れ頻度は他のいずれの国より多くなっています。

 


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