イラン外相「欧州は合意に忠実でなかった」
イランのアミールアブドッラーヒヤーン外相は、「欧州は核合意内の約束に忠実ではなかった」と述べました。
EUのボレル外務・安全保障政策上級代表は、英仏独の3カ国が同氏に宛てた書簡の中で、「イランのミサイル開発に関する制裁は解除されることはない」と記されていたと明かしました。
2015年の核合意を承認するものとして採択された国連安保理決議2231は、イランのミサイル開発を制限するものでしたが、この決議は今年10月に期限切れを迎えることになっています。
イランのアミールアブドッラーヒヤーン外相は15日金曜、イルナー通信の取材に対し、「英仏独は虚偽の圧力行使により逃げようとしている。トランプ前米大統領が核合意から離脱した際、欧州は核合意に残ると約束したが、彼らは言葉の綾を巧みに利用し、自らの約束履行に向け一歩も踏み出さなかった」と述べました。
また、イランの複数の個人が新たにEUの制裁対象となったことについて、「こうした行動は必ず報告を受ける。一方で交渉を望み、一方で誤った政策を続けてイランに対する圧力を増大させることなどできない」と述べました。
その上で、「イランとIAEA・国際原子力機関の協力は順調に進んでおり、我々はグロッシ事務局長と緊密な関係を築いている。イラン原子力庁とIAEAの両幹部は、ここ数カ月でよい協力をしてきた」と述べました。
そして、「イランは核合意に最も忠実な国であった」とし、「核合意の文言にもとづけば、当事国による合意違反や不履行などがあれば、イランも同様に履行を止めることができるとされている」と述べました。
そして、「使い古された意味のない制裁はイランの意志に何ら影響を与えなかった」とし、「こうした制裁はアメリカが過剰な要求から手を引く意志がないことを示している。我々は、正しいルートを進むよう勧告する」と述べました。