イラン外相、「故ソレイマーニー司令官こそ世界平和の象徴にふさわしい」
アミールアブドッラーヒヤーン・イラン外相が、ノーベル委員会が平和賞選考に政治的措置を持ち込んだことに反応し、「世界平和の象徴として最もふさわしいのは、20年間にわたり地域や世界の安全のためにテロリズムや最も凶悪な犯罪者らと戦ってきた、献身的な司令官である故ソレイマーニー氏である」と語りました。
ファールス通信によりますと、アミールアブドッラーヒヤーン外相はSNSのX(旧ツイッター)において、「イランとイラクで行われた(イランイスラム革命防衛隊の)ソレイマーニー司令官の葬儀には数千万人が参列し、世界の人々が胸を痛めたことは、歴史における最も栄誉あり心に残る平和賞を与えられたも同然だった」と述べています。
ノルウェーのノーベル委員会は6日金曜、2023年のノーベル平和賞をイラン人女性のナルゲス・モハンマディー氏に授与すると発表しました。
同氏は、2009年6月の大統領選挙後に起きた暴動に関わり、また、2003年に同じくノーベル平和賞を受賞したイラン人女性のシーリーン・エバーディー氏が所長を務める「人権擁護者センター」においてイラン国民の利益や人権に反する活動を行っていたことから、出国禁止命令を受け、2010年には逮捕されました。
同氏は、2021年に「反体制的宣伝」、「刑務所管理事務所前での座り込み」、「刑務所当局への反抗」、「ガラスなどの器物損壊」、「名誉毀損」の罪状で再び有罪判決を受けたことから、現在は刑務所に収監されています。
このような状況にもかかわらず、一国の法律に基づき有罪判決を受けて現在服役中の人物に対しノーベル平和賞が授与されたことは、人権という概念の政治化および内政干渉的措置以外の何物でもないと言えます。