イランが、がん細胞に直接薬剤届けるナノDDS開発
イランのナノ分野の医学者らが、がん細胞に直接薬剤を届けることのできるナノ技術を使った新たなシステムを開発しました。
イランのナノ医療に携わる医師らはこのほど、シート状あるいはカプセル状の有機化学薬品を直接がん細胞に届けるために使用される、ナノDDS(ドラッグデリバリーシステム)の薬物送達担体の開発に成功しました。
ガンの治療法としては化学療法が最もよく知られていますが、抗がん剤の投薬は甚大な副作用を伴います。
過去数十年においては、特にナノ粒子を用いた新たな投薬方法を行えるシステム開発の分野で、多大な研究がなされてきました。
イランの若手研究者や科学者らは近年、がんを含む様々な疾病の患者のための新たな治療法や医薬品の発見の分野で、偉大な業績を挙げてきました。
イランは、地域や世界で新たな治療法や医薬品の開発の分野に関して頭角を現しています。
カナダ東海岸にあるダルハウジー大学で有機化学の博士号を取り、現在タブリーズ大学で教鞭を取るイラン人学者ハサン・ナマーズィー博士は、IRIB通信のインタビューに対し、「近年新しく開発されたDDSは、特に高い充填容量と制御された薬物放出力を備えた多孔質ナノ粒子をベースとした薬物送達担体により、それまでの問題と限界を大幅に解消した」と語りました。
また、「最近ナノ医療分野の研究者も生物医学分野での疾患の治療に対するナノ物質の使用の効果を調査・研究しており、発表された成果は、一般的にナノ物質で診断や投薬により効果的なアプローチができることを示している」と述べています。
さらに、「これまでに、乳がん細胞への化学療法薬の送達と放出を制御するためのナノシステムの考案およびその性能評価に関する研究は行われてこなかった」とコメントしました。