イラン外相、「紅海でのイエメン軍の措置はイスラエルによる虐殺の終結が目的」 国連事務総長との会談で
イラン外相が米ニューヨークで国連事務総長と会談し、「イエメン軍の(紅海における措置の)目的は、シオニスト政権イスラエルの占領地に向かう船舶の航行を阻止して、同政権がパレスチナ・ガザで行う大量虐殺などの犯罪を止めさせることにある」と語りました。
アミールアブドッラーヒヤーン・イラン外相はニューヨーク時間の23日火曜夜、グテーレス国連事務総長と同地で会談し、「イエメン救国政府は、海洋の安全保障は極めて重要であるとして、イスラエル政権関連の船舶のみが航行制限の対象になると、繰り返し表明している」と述べています。
また、紅海での最近の動向に言及し、海運・航行の安全維持というイランの原則的な立場を改めて強調するとともに、「米英はイエメン攻撃という戦略的ミスを犯した。この決定的な過ちは、地域の情勢緊迫化と紛争拡大を招いている」としました。
さらに、パレスチナ人に対するイスラエルの攻撃を即時停止させる必要性を強調しました。
加えて、ガザ地区の痛ましい人道状況に対する強い懸念と遺憾の意を表明するとともに、グテーレス事務総長に対し、協議を通じてのパレスチナ国民への人道支援提供を促進させるよう要請しました。
一方のグテーレス事務総長も、ガザ戦争を改めて非難し、戦争の停止とガザへの人道支援搬入の必要性を強調しています。
グテーレス事務総長はまた、パレスチナを独立国家として樹立させる必要性やパレスチナ人の自決権を強調しながら、「誠に遺憾ながら、停戦なしでのガザ住民への人道支援提供は不可能だ」とコメントしました。
そして、最近の紅海での状況に触れ、この海域での紛争拡大に懸念を表明し、国連として戦闘行為の停止と地域の諸国民の苦痛の軽減に努力を集中させているとしました。
グテーレス氏はまたこの会談で、地域の安定と平和の強化に寄与するイランの役割は極めて重要だとしました。
これに先立ち、イエメン軍報道官は「イスラエル政権の船舶、あるいは同政権の占領地の港に向かう船舶に対する我々の作戦は、ガザで侵略が停止されパレスチナ国民への封鎖が解除されるまで継続される」と表明しています。
同報道官はまた、「米英の攻撃と侵略に対する報復は確実に行われる」としました。
アメリカとイギリスは今月11日、前日の10日に国連安保理が紅海でイエメン軍が行うイスラエル政権関連船舶攻撃の即時停止を求める決議を採択したのに続くかたちで、イエメン領土への攻撃を開始しました。
イエメン軍は数週間前より、ガザのパレスチナ国民の抵抗を支援するため、紅海やバブ・エル・マンデブ海峡において、イスラエルの所有もしくはイスラエル政権占領地に向かう船舶を攻撃対象としています。
イエメン軍は、イスラエル政権が対ガザ攻撃を停止するまで、紅海における同政権の船舶および占領地に向かう船舶への攻撃を続けるとしている一方で、それ以外の船舶のアデン湾・紅海の航行は制限されず、その安全が完全に保障されていると強調しています。