イランが打上げロケット「スィーモルグ」で衛星3基を宇宙に
イラン暦バフマン月22日(西暦2024年2月11日)のイスラム革命勝利記念日が間近に迫る中、イランが人工衛星3基の高度450kmの地球周回軌道投入に成功しました。
イランは、宇宙技術の獲得においてこの40年間、継続的な進歩を遂げてきました。
イランの敵は、さまざまな制裁を行使して宇宙産業をはじめとした同国の経済的・科学的進歩を阻もうと企んできましたが、そのような制限や圧力にもかかわらずイランは、多種多様な宇宙および宇宙関連の技術を獲得しています。
イランの宇宙計画が他の西アジア諸国と違う点には、国内の技術を活用し内部の能力に根差すゆるぎない計画であることが挙げられます。
IRIB通信国際放送ネットワーク「サハーブ」によりますと、イランは28日日曜、イスラム革命勝利45周年記念を前に、打上げロケット「スィーモルグ」によって「マフダー」「ケイハーン2」「ハーテフ1」の人工衛星3基の軌道投入に成功しました。
「マフダー」は、イラン宇宙研究所で設計、製造、組み立て、試験を全て行った国産研究衛星です。また、ナノ衛星の「ケイハーン2」と「ハーテフ1」は、設計・打ち上げ準備をイラン・エレクトロニクス・インダストリーズ社が行いました。
「マフダー」は、イラン宇宙研究所が製造した一連のマイクロ衛星のひとつとなる、重量32kg の衛星であり、その主な役割は、地球の低軌道の宇宙空間に物体を同時に複数投入する打上げロケット「スィーモルグ」の精度をテストすることにあります。
重量10kg未満のナノ衛星に分類される、立方体状の「ケイハーン2」は、世界の位置情報システムから独立したイラン独自のGPS全地球測位システムを、地上の利用者に提供する可能性を秘めています。
「ハーテフ1」も、「ケイハーン2」と同様の立方体型ナノ衛星で、IoT技術が利用されています。
今回の報道によれば、二段式液体燃料打上げロケット「スィーモルグ」は、7回目の実験で複数基の衛星の軌道投入に成功したことで、イランの宇宙分野に新たな扉を開くこととなりました。