イラン最高指導者、「モスクや自宅でのコーラン集会増やす」
イラン・イスラム革命最高指導者のハーメネイー師が、「コーランは神による芸術である。大きな価値のある行為であるその朗読の基本目的は、コーランの意味とその中にあるメッセージを人々や社会に伝え、コーランの内容について熟考する下地を作ることにある」と述べました。
イラン・イスラム革命最高指導者事務所の情報サイトによりますと、ハーメネイー師は12日火曜、イスラム教徒の断食月・ラマザーンの初日にちなみ開かれた「コーランに親しむ集会」において、コーラン朗読師に「正確に朗読できる」「流暢に朗読できる」若手が多くいることへの喜びを示しながら、「このような若手コーラン朗読師の増加は、イスラム革命がもたらした大きな恩恵の一つだ」と述べました。
続けて、「コーランは神が下した天啓というひとつの芸術である。コーラン朗読師に課せられた最も重要な義務は、コーランの意味を伝え、さまざまなテーマにおいてそのイメージを膨らませ、聴衆に伝えることである。コーラン朗読師は神の下された言葉を伝導する実例と言えることから、彼ら自身も、伝道者の持つべき条件を自分が備えているか考えるべきである」としました。
さらに、コーラン朗読師に向けて専門的な助言を行い、モスクや自宅での「コーランに親しむ集会」を増やしていく必要性を強調しながら、「このような集会では、社会における宗教教育レベル向上の土台を築くよう、コーランの翻訳と解釈にも注意を向けなければならない」と指摘しました。
一方、パレスチナ・ガザの青少年らによるコーラン朗唱の映像が公開されたことに言及し、「ガザで頂点に達している堅忍不抜さは、コーランへの理解とその実践の結果と言える」としました。
また、「今日のガザの状況は、2つの面で頂点にある。ひとつは犯罪、残虐行為、圧政の側面で、もうひとつは抵抗と忍耐の側面だ」と述べました。
その上で、「飢えと渇きによって子どもや乳児を殺すといったガザで行われている前例のない犯罪は、西側の文明を貶めるものである。シオニスト政権イスラエルは、様々な武器および支援をアメリカと西側諸国から受けている。しかし、ガザの人々の比類ない忍耐と各抵抗組織戦士の対峙によって、これまでに敵は何も悪行を成すことができず、抵抗組織の能力も約9割は残っている」と強調しました。
そして、抵抗組織がシオニスト政権を敗北に追い込むだろうだろうとし、「ガザの人々への支援は、イスラム世界の宗教的義務である。一方で、敵たるシオニストに対しては、いかなる支援も宗教的禁忌であり、現実の犯罪となる。誠に遺憾ながら、一部の政府やイスラム諸国はこのような行動を取っているが、この裏切りを罰せられ後悔する日が必ず来るだろう」としました。