4月 23, 2024 18:48 Asia/Tokyo
  • 海洋大国イランのメリットにあずかる独立諸国に西側が抱く懸念
    海洋大国イランのメリットにあずかる独立諸国に西側が抱く懸念

最近の地域的緊張が高まる中で明らかになったのは、イランが世界の海洋大国のひとつにのし上がったという事実です。これは西側の覇権主義諸国にとっては好ましくない事態であり、対照的にアジア、アフリカ、ラテンアメリカの独立国が利益を得ることになります。

この数カ月、西アジアでは緊迫した日々が続いています。昨年10月、ハマスによる「アクサーの嵐」作戦が成功すると、シオニスト政権イスラエルはガザ地区に対する大規模で破壊的な戦争を開始しました。この戦争は6カ月以上が経過し、殉教・負傷あるいは行方不明となったパレスチナ人はあわせて10万人以上にのぼります。

この戦争では、地域の様々な抵抗勢力が協調して、できる限りイスラエルのガザ地区に対する圧力と攻撃を減らすための持久戦を展開しています。最近ではこれに加えて、イランとイスラエル政権との間の緊張が高まっています。イスラエルは今月1日、在シリア・イラン大使館の領事部に対するテロ攻撃を行い、シリア政府の要請でこの国を訪れていたイランの軍事顧問ら複数名が死亡しました。

これに対し、イランはイスラエルに対する懲罰的な作戦を行うと宣言しました。この作戦は「誠実な約束」という名で14日未明に行われ、イランは無人機・ミサイルあわせて約300発をイスラエル占領地に向けて発射しました。

多くの専門家は、この作戦を世界最大のドローン作戦としています。この作戦はイスラエルの占領政権に戦略的な損害を与えました。そのような中で明らかになった点の一つは、イランが世界の海洋大国になったという事実です。

これはアメリカ、イスラエル、およびその他の植民地支配の過去を持つ国々に重大な懸念を引き起こしています。多くの専門家は、イランがここ数年でホルモズ海峡を大きくコントロールしていると指摘しています。この海峡はエネルギー輸送の観点で世界で最も重要な海路の一つであり、世界のエネルギー資源の60%以上がこの海峡を通過します。

最近では、イランに近い同盟国であるイエメンのアンサーロッラーも、マンデブ海峡の安全保障を掌握する能力を示しています。

この海峡もまた、特にイスラエルの占領者と西側の大国にとって戦略的な海峡であり、公式の統計によると、世界のコンテナ貿易の12%以上がこの海峡を通じて行われています。

現在、イランとその同盟国がこれらの戦略的海峡を監視する能力は、アメリカを中心とする西側の覇権主義陣営に懸念をもたらしており、イランは名実ともに地域および世界レベルで有効なカードを手にしていることを示しています。これらのカードは西側の支配を求める勢力にとって重大な損害をもたらす可能性があり、一方でアジア、アフリカ、ラテンアメリカなどの非植民地主義国やグローバル・サウスの国々にとっては利益をもたらすことになります。

 


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