6月 01, 2024 17:20 Asia/Tokyo
  • イラン・イスラム革命最高指導者のハーメネイー師と同国を訪問したシリアのアサド大統領
    イラン・イスラム革命最高指導者のハーメネイー師と同国を訪問したシリアのアサド大統領

イラン・イスラム革命最高指導者のハーメネイー師は30日、同国を訪問したシリアのアサド大統領と会談し、「地域におけるシリアの特別な地位は、抵抗という優れたアイデンティティによるもので、これは保持されるべきだ」と述べました。

ハーメネイー師はこの会談で、アサド大統領がイランのライースィー大統領らの殉教を受けて哀悼の意を表したことに謝意を表明し、ライースィー大統領とアミールアブドッラーヒヤーン外相がイラン・シリア関係の強化に大きな役割を果たしたと述べました。

その上で、イランとシリアがともに抵抗の枢軸であることから、両国関係の強化は重要だとし、「シリアのアイデンティティは(アサド氏の父である)ハーフェズ・アサド大統領の時代にできた『抵抗戦線』であり、このアイデンティティはシリア国民の団結に寄与した」と述べました。

そして、このアイデンティティが保持されるべきだとし、「西側諸国はシリアに仕掛けた戦争で政権転覆を図り、地域からシリアの影響力を排除しようとしたが失敗した。そのため、守るつもりもない口約束などを使ってシリアの排除を企んでいる」としました。

ハーメネイー師はアサド大統領の抵抗の姿勢を称賛し、「誰もがシリア政府の優れた抵抗を自身の目で見るべきだ」と述べました。

また、イラン・シリア両国に課された欧米による制裁について、「両国関係を強化・整備することで乗り越えていくべきだ」としました。

ハーメネイー師はこれに関して、故ライースィー大統領が生前にイラン・シリア関係の強化に向けて用意を整えていたことを明かし、「大統領職を代行しているモフベル副大統領がこの方針を継続している。これが最良の形で続くことを望んでいる」としました。

ハーメネイー師はまた、バーレーンで開かれたアラブ連盟会議で、一部の国がパレスチナ問題について精力的ではなかったことを批判し、「この会議ではパレスチナ問題について怠慢が目立った。その一方で、精力的に動いた国もあった」と述べました。

そして、イランは将来に希望を持っているとし、「我々全員が自らの役割を果たし、明るい未来に到達できることを望む」としました。

これに対しアサド大統領は、ライースィー大統領らの殉教について哀悼の意を表した上で、「シリア・イラン関係はハーメネイー師のもとで前進する戦略関係であり、それを先導したのがライースィー大統領とアミールアブドッラーヒヤーン外相だった」と述べました。

そして、ライースィー大統領の人柄について「イスラム革命を体現する人物だった」と称え、「ライースィー氏は(就任後の)この3年間で、イランが地域・パレスチナ問題、対シリア関係などで重要な役割を果たすことに貢献した」と述べました。

また、地域の抵抗運動について「50年の歳月を経て、抵抗運動は前進し、現在はひとつの政治・宗教アプローチとなっている」と述べました。

アサド氏はこれについて、「いかなる譲歩・後退も西側がつけあがる原因となる」とし、「私は以前、譲歩の代償は抵抗の代償より重いと述べたことがある。現在、このことはシリア国民にとって非常に明白になっている。ガザ情勢やハマスの勝利も、このことを証明しており、抵抗とはひとつの原則であることを示している」と述べました。

そして、イランが地域およびシリアの抵抗運動を常に支持してきたことに謝意を表明しました。

ハーメネイー師はアサド氏のこれらの話をうけて、「あなたの話には重要なことがいくつもあったが、中でも『譲歩すればするほど、相手はつけあがる』という点はきわめて重要だった。このことに疑いはなく、我々が(イスラム革命以降)40年以上にわたって信じ、訴えてきたことだ」と述べました。

 

 


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