イランから28番目となる世界遺産登録に期待高まる(写真あり)
(last modified Sun, 21 Jul 2024 09:59:31 GMT )
7月 21, 2024 18:59 Asia/Tokyo
  • 世界遺産登録が期待されるエクバタナ
    世界遺産登録が期待されるエクバタナ

今月21日よりインド・ニューデリーで開催されている第46回世界遺産委員会では、イラン西部ハメダーン州にある古代ペルシア時代の遺跡・エクバタナを中心とした「エクバタナとハメダーンの歴史遺跡群」の世界遺産登録に関して決定が行われることになっています。

【ParsTodayイラン】イランではこれまでに、ユネスコ・国連教育科学文化機関に27の歴史・自然遺産が登録されていますが、世界遺産委員会の発表によれば、次の会合ではさらに同国のエクバタナ遺跡の登録について決定が行われることになっています。

これまでにイランから世界遺産に登録された場所は、チョガ・ザンビール 、ペルセポリス 、イスファハーンのイマーム広場 、タフテ・ソレイマーン、パサルガダエ、バムとその文化的景観、ソルターニーエ・ドーム、ビーソトゥーン 、アルメニア修道院群 、シューシュタルの歴史的水利施設、タブリーズの歴史的バザール群 、アルダビールのシェイフ・サフィーユッディーンの修道院と聖者廟、ペルシャ庭園などがあります。

今回は、この機会にちなみイランにある世界遺産の一部をご紹介していきます。

 

チョガ・ザンビール

現在チョガ・ザンビールとして知られるエラム文明期の都市ドゥル・ウンタシュには、礼拝所として紀元前1250年頃に建てられた高さ52メートル、広さ5平方メートルのジグラット(=古代メソポタミアの階段状の建築物)があります。

 

 

ジッグラトは、現在のイラン南西部フーゼスターン州シューシュ近くに位置する古代都市ドゥル・ウンタシュにエラム人が作った複合施設の遺跡の中心となる建物です。

 

 

チョガ・ザンビールは1979年、ユネスコの世界遺産に登録されたイランで最初の歴史的建造物となりました。学者たちはチョガ・ザンビールが現在知られているイラン最古の宗教施設であるとしています。

 

ペルセポリス

現存する資料によれば、この巨大な遺跡は紀元前約500年前にアケメネス朝ペルシアのダレイオス1世の命令によりに建設が始まり、完成まで150年がかけられました。

 

 

ペルセポリスは歴史の中でさまざまなな呼ばれ方をしましたが、イランでは最終的に、この素晴らしい歴史遺産の栄光にふさわしい、神話に出てくる王の名を冠したジャムシード宮殿、もしくはジャムシードの玉座(タフテ・ジャムシード)の名前で定着しました。

 

 

ペルセポリスは、チョガ・ザンビールと同じ1979年にユネスコの世界遺産として登録されました。

 

 

この遺跡は、2頭の牡牛像が守る万国の門(別名:クセルクセス門)が入り口にあり、その奥にも、アパダナ宮殿、タチャラ宮殿、ハディーシュ宮殿などのさまざまな建物があります。

 

イスファハーンのイマーム広場

イラン中部イスファハーンにあるイマーム広場(ペルシア語名:ナクシェ・ジャハーン広場)も、1979年にユネスコの世界遺産として登録されました。

 

 

この場所には、サファヴィー朝時代に建設される前、ナクシェ・ジャハーンと呼ばれる美しい庭園があり、ペルシア語の名称もそこから取られています。南北500メートル超、東西約160メートルのこの広場の周りは、200の小間を持つ2階建てのアーケードで囲まれています。

 

 

イマーム広場の四方には、美しい歴史的建築であるイマーム・モスク、シェイフ・ロトフォッラー・モスク、アーリー・カープー宮殿、ゲイサリーエ門とゲイサリーイェ・バーザールが配置されています。

 

アルメニア修道院群の聖タデウス修道院

聖タデウス修道院は、イランで最も壮大なキリスト教会の一つです。言い伝えではこの建物の創建は紀元68年に遡り、世界で最古のキリスト教会とされています。イエス・キリストの使徒の一人である聖タデウスの墓の上に建てられたこの修道院は、イラン北西部・西アーザルバーイジャーン州チャールダラーン郡カラ村に位置するため、カラ教会もしくはチャールダラーン教会とも呼ばれています。

 

 

聖タデウス修道院を含むアルメニア修道院群は、その独特の建築様式により、2008年にユネスコの世界遺産に登録されました。

聖タデウス修道院がキリスト教の人々に重視されているのは、古い歴史があるだけでなく、その装飾や建物の多様さのために美しいひとつの芸術作品となっているためでもあります。

 

ソルターニーイェ・ドーム

ソルターニーイェ・ドームは、イタリアにあるサンタマリア・デル・フィオーレ大聖堂のドームに次ぐ世界で2番目に大きいレンガ造りのドームです。このドームは、装飾、趣向をこらした建築様式、空間配置、建物同士の対比、安定感、現地で手に入るの建材の活用、美学やドーム装飾技術の活用などの多くの要素から構成されるバランスのために、イランおよび世界のドーム建築の中でも突出した存在となっています。

 

 

この建物は、イランで7番目のユネスコ世界遺産として2005年に登録されました。

アメリカの著名なペルシア美術専門家の一人、アーサー・U・ポープ氏は、イラン北西部ザンジャーン州にあるこのドームについて、「この建物は、配された全ての細部がこのような美しい傑作を生み出すべく各々の適切な位置にはまっているように思えるほど緩みがない」と説明した他、このドームがインドのタージ・マハルにも影響を与えたと考えています。

 

 


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