イラン外相;「欧州には自らが遵守していない決議を濫用する権利はない」
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イランのセイイェド・アッバース・アラーグチー外相
アラーグチー・イラン外相が、2015年の対イラン核合意に盛り込まれたトリガーメカニズム(対イラン制裁再発動を可能にする仕組み)発動に関する欧州3カ国・英独仏の主張を否定し、「自ら遵守していない決議を英独仏が悪用して国連安保理の信頼性に疑問を投げかけることは許されないし、許されるべきでもない」と語りました。
【ParsTodayイラン国際】イルナー通信によりますと、アラーグチー外相は20日日曜夜、国連事務総長、安全保理議長、EU外務安全保障政策上級代表、国連安保理理事国に送付した書簡に言及し、「この書簡において、欧州3カ国がJCPOA包括的共同行動計画(通称;対イラン核合意)と安保理決議2231(2015年承認)に盛り込まれたトリガーメカニズムを発動する法的、政治的、倫理的正当性を持たない理由を明らかにしてある」とツイートしました。
また「欧州3カ国(E3)は、シオニスト政権イスラエルと米国による最近の違法かつ不当な軍事侵略への政治的・物質的支援、JCPOAの基本原則への違反、そして長年にわたる自らの責務の不履行など、その行動と発言によりJCPOAの『参加者』としての地位を事実上失っている。したがって、失効した安保理決議を復活させようというこれらの国の工作はいずれも信ぴょう性に欠け、かつ法的に無効である」と述べています。
米国の一方的な核合意離脱に対し、イランはまず合意に定められたあらゆる紛争解決メカニズムを全面的に活用し、その後、JCPOA第36条に基づく補償措置の段階的な実施に踏み切りました。その過程で、イランは合意に残留した当事国に対し、それぞれの責務を履行するよう説得すべく多大な努力を払ってきました。しかし、欧州3カ国(E3)は自らの責務を遵守しなかった上、米国の「最大限の圧力」政策の実施に積極的に関与し、最近ではイランに対する軍事侵略に加担しています。
アラーグチー外相は「このような経歴を持つ当事国は決して『誠意』を主張することはできない。欧州3カ国は、自らが遵守していない決議の濫用による国連安保理の信頼性に疑問を投げかけることは許されないし、また許されてもいけない。彼らは、2020年8月20日付の米国への書簡で示したのと同じ勧告内容、つまり『安保理の分裂を深め、あるいはその機能に深刻な悪影響を及ぼすようないかなる行動も控えること』という内容を実行すべきである」と述べました。
そして最後に「イラン・イスラム共和国は、いかなる残虐な侵略にも、あるいは彼らが言うところの『幻想に基づくけがれた行動』への対抗能力もあることを示してきたが、常に誠意に基づく有意義な外交に応じる用意も整えてきた」と結びました。