資源大国イランが再生可能エネルギーに注力する理由
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									資源大国イランが再生可能エネルギーに注力する理由  
イランは世界で2番目の天然ガス埋蔵量と4番目の石油埋蔵量を誇っていますが、それにもかかわらず、近年は再生可能エネルギー分野に大規模な投資を行っています。そこにはどんなねらいがあるのでしょうか?
【ParsTodayイラン】イランが再生可能エネルギーに関心を持つ最も重要な理由の一つは、環境汚染に対抗するためです。イランは化石燃料エネルギーが非常に安価な国の一つですが、世界的な気候変動や環境問題に対応し、国連の持続可能な開発目標を達成するために、エネルギーの生産と消費のモデルを変えつつあります。その目的は、国の開発の道筋を環境的に持続可能なものにすることです。この枠組みの中で、政府は再生可能エネルギーへの広範な投資を行い、市民や民間企業がクリーンエネルギーを利用するための機会を提供しています。
イランの再生可能エネルギー資源
イランは地理的に豊かな自然資源を有する国です。国内の様々な地域には、再生可能エネルギーを生産するための潜在的な資源が豊富に存在しており、それらは国の主なエネルギー供給源として利用できます。バイオ、水力、風力、太陽光、地熱などが主要な資源であり、どれも持続可能なエネルギー供給や化石燃料依存の軽減において重要な役割を果たすことができます。
砂漠:太陽光エネルギーの無限の宝庫
イランの再生可能エネルギーで最もポテンシャルが高いのは、太陽光発電です。ある国内企業のデータによれば、砂漠地帯を適切に活用すれば、イラン全土の発電能力の約60倍の電力を生産することが可能です。
具体的な数値で見ると、これらの地域における太陽光エネルギーの平均的な潜在能力は約600万メガワットと推定されますが、イラン国内の現在の発電能力は10万メガワット未満です。2023年のEU全体のエネルギー消費は約42万3000メガワットであることを考えれば、イランの砂漠地帯だけで欧州全体のエネルギー需要の14倍を賄うことができるということになります。
なぜイランの太陽光エネルギー投資は黄金のチャンスなのか?
イランは化石燃料と再生可能エネルギーの両方で豊富な資源を持つ非常に数少ない国の一つです。この2つの資源を持つことで、イランは再生可能エネルギー分野における大規模な投資を引き寄せることができます。
再生可能エネルギー分野への投資のメリット
- 非常に高い収益性:太陽光パネルの設置および運営コストは年々低下している一方、世界的なエネルギー価格は上昇しています。イランの再生可能エネルギー・電力効率化機関によると、2010年から2024年の間に、太陽光発電のコストは1キロワット時あたり41セントから4セントに減少しています。
 - エネルギーの持続性と安全性:太陽光エネルギーは有限の資源に依存しておらず、イランは年間平均300日以上の晴天に恵まれています。
 - 環境保護:太陽光発電は汚染物質や温室効果ガスを排出せずに電力を生産します。
 
国際市場へのアクセス
近い将来、再生可能エネルギーの輸出やカーボンクレジットは、イランにとって持続可能な収入源となる可能性があります。イランは今、エネルギー分野において大きな転換点に立っています。国内の広大な砂漠地帯を活用することによって、イランは化石燃料への依存から脱却できるだけでなく、クリーンエネルギーの生産において世界的な大国になる可能性を秘めています。

