イランとBRICS諸国が協力:多国間主義の強化を目指す戦略
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ペゼシュキヤーン・イラン大統領が、東アフリカ・エチオピア下院議長との会談において「BRICS新興経済国グループは、世界レベルで公正かつバランスのとれた協力への道を切り開くことが可能である」と強調しました。
(last modified 2025-12-15T05:15:01+00:00 )
12月 15, 2025 12:37 Asia/Tokyo
  • エチオピア下院代表と面会するペゼシュキヤーン・イラン大統領(右)
    エチオピア下院代表と面会するペゼシュキヤーン・イラン大統領(右)

ペゼシュキヤーン・イラン大統領が、東アフリカ・エチオピア下院議長との会談において「BRICS新興経済国グループは、世界レベルで公正かつバランスのとれた協力への道を切り開くことが可能である」と強調しました。

マスウード・ペゼシュキヤーン大統領は今月13日、テヘランでエチオピアの下院に相当するタゲッセ・チャフォ(Tagesse Chafo )人民代表院議長と会談し、「BRICSは加盟国間の協力強化に向けた新たなコミュニケーションモデルを提供できる」と述べています。

また、イランとエチオピアが共にBRICSに加盟していることに触れ、「この多国間的な枠組みは交流の拡大および、政治・経済的なつながりの深化、そして国際体制における一方的な行動への対抗にとって価値ある戦略的プラットフォームである」と語りました。

さらに「BRICSは、国家主権、領土保全、そして各国の多様な文化や文明に対する相互尊重に基づく新たなコミュニケーションモデルの提供、並びに世界レベルでの公正かつバランスのとれた協力への道を切り開くことが可能である」としています。

BRICSはブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ、そしてイランを含む新興経済大国で構成されており、21世紀における力関係の変化を象徴する存在であり、これらの諸国間の協力は、米国と西側諸国の覇権を減らすことに寄与します。BRICSの目標の一つは、独立した金融メカニズムの構築および、米ドルへの依存を減らすこととされ、これにより国際金融システムのバランスがより均衡化される可能性があります。

BRICSはNDB新開発銀行と準備通貨協定を創設しており、このことは世界経済においてより重要な役割を果たすというこの組織の強い決意を示しています。BRICSはさらに独立国間の科学、経済、政治協力のプラットフォームを提供し、西側の覇権に基づく体制とは異なるモデルを提供しています。

BRICS諸国間の協力が戦略的に重要なのは、この多国間同盟が米国や西側諸国の一方的な政策に対抗しうることによります。特にイランにとって、BRICS加盟は多国間主義、独立性、そして制裁への抵抗に基づく外交政策を強化する機会となっています。

BRICSは、すべての国、特に発展途上国がそれぞれ自国の立場を持つという、多極的で公正な秩序を構築するためのプラットフォームです。国際正義に対する最大の脅威の一つは、西側諸国が制裁措置を手段として利用していることです。これに関してBRICSは、独立した金融・貿易メカニズムの構築により、こうした圧力を軽減する可能性を有しています。

BRICSは国家主権、文化の多様性、文明の尊重を重視しており、これは西洋主導の体制とは一線を画したモデルとなり得るものです。イランはBRICSの開発途上国との協力により、新たな世界秩序・国際体制の形成においてより積極的な役割を果たす力を持っています。

イランの外交政策は常に、独立性と大国の覇権への抵抗を重視してきました。イランはBRICS加盟によりこの姿勢を強化し、新興国と肩を並べる位置に浮上しています。また、西側諸国への依存から脱却し、中国、ロシア、インド、ブラジルといった新興経済国との協力の方向へと進めているのです。

イランにとって、BRICS加盟は米国の制裁や圧力への対抗手段であると同時に、新興経済大国との政治・経済的関係を強化し、国際体制の再構築に積極的な役割を果たす機会にもなっています。

BRICSに加盟する独立諸国間の協力により、世界の勢力バランスが変化し、多国間主義が強まり、西側諸国とドルへの依存が減少するとともに、国際的な意思決定における発展途上国の役割が拡大すると考えられます。この同盟組織は、地域の発展に影響するのみならず、世界秩序を多極化へと導く可能性も秘めているのです。

 


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