解説;イランが新たな地域安全保障構造を構築する必要性を強調する理由とは?
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イラン国会議長兼中国問題担当特別代表を務めるモハンマドバーゲル・ガーリーバーフ氏が「X」において「中国が共通安全保障の強化を重視していることは、イランが長年強調してきたことの重要な反映である」と語りました。
(last modified 2026-09-06T20:42:15+00:00 )
9月 05, 2026 19:24 Asia/Tokyo
  • イランのモハンマドバーゲル・ガーリーバーフ国会議長
    イランのモハンマドバーゲル・ガーリーバーフ国会議長

イラン国会議長兼中国問題担当特別代表を務めるモハンマドバーゲル・ガーリーバーフ氏が「X」において「中国が共通安全保障の強化を重視していることは、イランが長年強調してきたことの重要な反映である」と語りました。

【ParsTodayイラン】ガーリーバーフ国会議長は中国の習近平国家主席の最近の発言を歓迎し、「中国が共通安全保障の強化を重視していることは、イランが長年強調してきたことの重要な反映である。地域諸国は自らの手で自らの未来を切り開かなければならず、真の安定は地域への新たな独自の安全保障体制の構築によってのみ可能となる。イランは用意ができている」と述べています。

ガーリーバーフ国会議長は、地域における「新たな固有の安全保障構造」を形成する必要性についての見解を示しています。実際、これはイランと中国の関係に対する一時的・局部的な立場を超えたもので、西アジアにおける地政学的な情勢、大国間の競争、そして地域における安全保障関係のパターンの変化という文脈で解釈される必要があります。同議長の演説の焦点は、地域の安全保障が今後も外国勢力の存在と介入に基づくべきではなく、地域諸国が独自の安全保障メカニズムを設計し実施できるものであるべきという点です。イランの外交政策の観点から見たこの見解は、過去数年にわたって「内発的安全保障」と安定確保における地域諸国の直接的な役割を強調してきた考え方を概念的に拡張したものです。

中国が強調する「共通の安全保障の強化」にガーリーバーフ国会議長が言及したことも、特別な重要性を有しています。近年、中国は経済大国としてのみならず、世界の政治・安全保障体制において効果的な主体としての存在感を示そうとしています。中国政府にとって、共通の安全保障とはある国の安全保障が他国の安全保障の犠牲により提供されるべきではなく、地域の問題は可能な限り同じ地域の関係者間の対話と協力を通じて解決されるべきであることを意味します。したがって、地域安全保障に関するイランと中国の政治流儀が重複していることから、両国間の戦略的協力の拡大に適した基盤が整ってきます。もっとも、この重複は、イランと中国の利益や目標が必ずしも同じであることを意味するものではありません。

この観点から見ると、ガーリーバーフ国会議長の演説で最も重要な部分は「新たな安全保障体制」という概念です。安全保障体制とは、単なる軍事協定の締結や新たな組織の結成ではなく、地域諸国間の紛争を管理できる一連の規則、取り決め、信頼構築、協力メカニズムを指します。過去数十年間、西アジア地域は戦争、軍拡競争、外国の介入、政治危機、そして国家間の深い不信感を経験してきました。このような状況下で、地域独自の安全保障体制を構築するには、地域諸国が「他国に対する安全保障」という論理から「他国との安全保障」という論理へと移行する必要があります。もっとも、この転換は理論的には魅力的ではあるものの、実際にはイデオロギーの相違や地政学的な対立、歴史的な不信感といった深刻な障害に直面すると考えられます。

「地域諸国は自らの手で自らの未来を形成すべきである」という文言には、明確な政治的メッセージも込められています。この提案は、まず第一に、地域諸国の安全保障が域外大国に依存していることを批判しています。過去数十年にわたる西アジアでの米国およびその他の外国勢力の軍事駐留は、この地域における安全保障秩序の主要な柱の一つとなってきました。しかし、イランの観点から見ると、こうした軍事駐留は恒久的な安定を創出できていない上、場合によっては競争の激化や情勢不安の増大を引き起こしています。この観点から見て、ガーリーバーフ氏の文言は、地域諸国が外国の保証になく、自国の安全保障に主な責任を負うという代替モデルの提案という試みと捉えられます。

しかし、このようなモデルの実現には、単なるスローガンにとどまらず、共通安全保障という概念を具体的なメカニズムへと転換する必要があります。地域諸国間の定期的な対話、不干渉の原則に関する見解の一致、危機管理のための交流ルート・チャンネルの確立、テロ対策における協力、エネルギーおよび海上輸送路の安全確保、さらには軍備管理メカニズムなども、こうした枠組みの構成要素となり得ます。この枠組みにおいて、イランと地域のアラブ諸国との関係も極めて重要となってきます。それは、ペルシャ湾の主要勢力の参加と地域大国間の相互理解なしには、包括的な安全保障体制は構築不可能だからです。

一方、ガーリーバーフ氏の発言の最後に出てくる「イランは用意ができている」という表現は、イランが既存秩序の単なる反対者ではなく、代替秩序の構築者の一翼として自らを位置づけようとしていることを示唆しています。これはイランにとって外交上の機会となりえますが、同時に、地域諸国が受容しうる具体的なイニシアチブを提示する必要がありま

す。国土安全保障という概念が真の協力、信頼構築、そして緊張緩和につながれば、それは地域の将来にとって効果的な枠組みとなる可能性を秘めています。

これ以外の場合、それは政治的流儀のレベルに留まると思われます。したがって、ガーリーバーフ国会議長の提言の主な意義は、新たな協定や連合の発表にあるのではなく、西アジアの安全保障秩序が新たな段階に入りつつあるという思想を定着させることにあります。この新たな段階では、地域大国、特にイランや重要なアラブ諸国の役割、そして新たな取り決めを政治・経済的に支援する中国の役割が、これまで以上に決定的なものとなる可能性があるのです。

 


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