今日の話題:預言者ムハンマドの芸術的表現(7)
建築は、古くからの芸術のひとつであり、おそらく、その他の芸術よりも、地域的な要素と調和している芸術です。
あらゆる地域における慣習や信条は、建造物に影響を及ぼしています。この中で、宗教的な信仰の影響は、否定できないものです。イランの人々は、宗教的な場所だけでなく、ほかの場所においても、自身の信仰や信条を表し、様々な形で、預言者ムハンマドに対する思い入れを示しています。
イラン南部・シーラーズにある、18世紀にザンド朝の為政者キャリーム・ハーンによって建てられたヴァキールの公衆浴場は、当時の最新の建築原理が使用されています。たとえば、蒸気や暖かい空気を保ち、浴場の床がすぐに暖まるよう、廊下は細く作られています。
また、浴場には、壁と天井に左右対称なデザインが見られ、最も美しい花や草木、鳥の絵がそこに描かれており、浴槽の脇には、宗教な物語や英雄物語の絵が記されています。預言者ムハンマドの天界飛行は、この浴場の壁や天井に見られるデザインの一部です。美しい漆喰細工には、預言者のイスマーイールの犠牲やユーソフとその兄弟たちの宗教的、伝統的な話や、当時の人々の夢や関心などが伺え、また当時の芸術家が、預言者ムハンマドに関することなど、宗教的に重要な事柄に心が向いていたことが示されています。
バザールや公衆浴場などの公的な場所における芸術的特徴の中には、預言者ムハンマドの服の柄の色とりどりの花など、芸術家が装飾的な要素を利用していたことを強調していることが挙げられます。これらの絵画や壁画、とりわけ、預言者ムハンマドの天界飛行をテーマにした絵は、たいてい、過剰な要素が控えられ、預言者ムハンマドの表情は、太陽のように輝き、全体の中央に描かれています。