6月 20, 2017 17:25 Asia/Tokyo
  • アメリカ国務長官の反イラン発言に対するイランの抗議

イランのホシュルー国連大使が、国連事務総長への書簡の中で、アメリカのティラーソン国務長官による反イランの発言は、不遜で干渉的なものだとしました。

この書簡では、ティラーソン長官の反イランの発言は、国際法の原則に反しており、アメリカのイラン内政への不干渉に関する1981年のアルジェ合意やその他のアメリカの取り決めに対する明らかな違反だとされています。ティラーソン長官は、最近、アメリカ上院で、次のように発言しました。

「アメリカの対イラン政策は、イランの平和的な政権移行を促す、イラン国内の関係者を支援するものである。我々も確信しているように、このような関係者はイラン国内に存在する」

 

このような発言は、ホシュルー大使の書簡にもあるように、不遜で干渉的なものであり、すべての国際的な慣習や原則、国連憲章の精神に反するものです。アルジェ合意によって、アメリカは、イラン国内の問題に対する、直接、あるいは間接的な政治的、軍事的不干渉を定められており、今後もそれは守られるべきです。

ホシュルー大使の書簡で指摘されている、この他の注目すべき点は、ティラーソン長官の発言と同時に、最近、CIAの機密扱いを外された文書が発表されたことです。この文書には、1953年8月の、イランのモサッデグ政権の崩壊に向けたアメリカの陰謀についての新たな情報が含まれています。

ホシュルー大使による国連事務総長への書簡と同時に、テヘラン駐在のスイス代理大使が、アメリカの利益代表部としてイラン外務省に呼び出され、イランからのアメリカ政府に対する強い正式な抗議を伝えられました。

ティラーソン長官の発言は、さまざまな理由から熟考に値します。国際関係の専門家であるモタッハルニヤー氏は、このティラーソン長官の発言について、イルナー通信のインタビューで次のように語っています。

「ティラーソン長官は、現在は国務長官を務めているが、もともとは実業家であり、外交を知らない。しかし同時に、新保守派の頭脳集団のイランに対する考え方を反映する存在である」

 

アメリカは、イランをテロ支援で非難していますが、9.11アメリカ同時多発テロ事件の調査報告の中で、このテロのハイジャック犯19人のうち、15人がサウジアラビア人であり、アメリカとサウジアラビアが共同で作り出したアルカイダとつながりを持っていました。アメリカはまた、イランの体制は民主的ではないと主張していますが、イランで実施される選挙は、多くの国、引いてはアメリカよりもはるかに透明に行われています。5月に行われた選挙も、民主的な基準に則って行われました。一方で、アメリカが賞賛するサウジアラビアは、国民の支えを持たず、決して民主的ではありません。サウジアラビアは世襲君主制であり、国民によって選ばれた代表者は政権に一人も存在しません。このことから、ティラーソン長官の発言を最大限によく捉えたとしても、彼はイランを知らず、またサウジアラビアの真の姿も知らないと言えるでしょう。

アメリカの政治家は、少なくとも、イランのイスラム体制が力強く存続していること、敵がイラン国民にダメージを与えることはできず、逆にイラン国民が彼らに平手打ちを食らわすのだということを、歴史から、特に1979年のイランイスラム革命勝利後の出来事や歴史の流れから学んでいるはずです。

イランイスラム革命最高指導者のハーメネイー師は、最近、イラン人やイランの国境警備隊の殉教者の遺族と会談した際、アメリカ政府高官のこの発言は、戯言だとし、次のように語りました。

「アメリカの政府高官は、過去も現在も、イランにダメージを与えるためにあらゆる手を尽くしてきたが、イラン国民を侵略しようとする者は、必ず、彼ら自身が損害を蒙ることになることを覚えておくべきだ」

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