週刊イラン
(last modified Tue, 25 Jul 2017 06:25:38 GMT )
7月 25, 2017 15:25 Asia/Tokyo
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この1週間に起こった主な出来事です。 核合意後、アメリカはイランに対して常に敵対的な行動を取ってきました。 イランのザリーフ外務大臣が、国連経済社会理事会の会合に出席するため、アメリカ・ニューヨークを訪問しました。 イランとシリアの合同会議が開催されました。 核合意共同委員会の第8回会合が、オーストリアの首都ウィーンで開催されました。

先ほども触れたように、先週金曜、ウィーンで核合意共同委員会の会合が開催されました。これは、トランプ政権が発足して以来、この委員会の2度目の会合となります。こうした中、アメリカは、メディアの世論操作や矛盾した立場により、核合意への違反を覆い隠そうとしています。今回の話し合いでは、全ての関係国が、イランによる核合意の遵守とIAEA国際原子力機関との協力を賞賛し、核合意の実施の成功を損なうようなあらゆる行動を控えることが強調されました。

 

核合意は、長期に渡る困難な話し合いの末、2015年7月にウィーンで締結されました。

 

核合意が実施されて以来、この1年半の間、イランは常に、IAEAから取り決めの遵守を認められてきました。しかし、相手側、特にアメリカ政府からは、多くの取り決め不履行や行動の遅れが見られます。

 

これに関するアメリカの目的は、イランの革命防衛隊の役割に関するメディアの世論操作やイランのミサイル能力に関する根拠のない理由によって、制裁を強化することです。イラン統合参謀本部のバーゲリー議長は、イラン北東部マシュハドで開催された革命防衛隊陸軍司令官の会合で、このようなアメリカの動きに対し、「イランのミサイル能力は防衛目的であり、協議の対象にはなり得ない」としました。

 

「イランは、敵の脅威に対抗するため、防衛力を維持、向上させている。イランは、国境を防衛し、抵抗の中心にいる国々のテロ対策を支援すると共に、自国の国民にも類まれなる安全保障をもたらしている。イスラム革命防衛隊をテロ組織と呼び、アメリカが革命防衛隊にテロ組織と同様の制裁を行使していることは、アメリカと地域に駐留するアメリカ軍にとって、大きなリスクになる」

 

バーゲリー議長は、イランの体制変更の必要性について語った、アメリカの軍事関係者の干渉的な発言に触れ、「アメリカ政府は、さまざまな陰謀に決然と立ち向かっているイランについて、もう少し賢明かつ慎重に発言すべきだ」と語りました。

 

先週、クウェート外務省がイランに対して根拠のない非難を行ったことを受け、イラン外務省はテヘラン駐在のクウェート代理大使を呼び出し、イランの強い抗議を伝えました。イラン外務省は、クウェート高官によるイランへの非難は根拠のないものだとしました。また、「両国の外交関係の縮小に対し、イランも対抗措置を講じる権利があると考えており、必要な決断を下すだろう」としました。

 

クウェートは、先週木曜、「クウェートに駐在するイラン人外交官の数を縮小し、イランの文化顧問事務所を閉鎖した」と発表しました。クウェートは、イランとテロ組織のつながりを理由に、このような措置を講じました。

 

クウェートの関係者がイランに対して根拠のない非難を行っている中、アメリカの国務省も、先週水曜、世界のテロの状況に関する年次報告の中で、再度、イランをテロ支援で非難しました。クウェート政府によるこのような報告や主張は、テロ組織の思想の最大の発祥地となっている一部の地域諸国やアメリカが、世界のテロ攻撃の多くに関与していることが証明されている中で行われています。イランのザリーフ外相は、先週水曜、アメリカのPBSのインタビューで次のように語りました。

 

「アメリカは、しばらく前から、イランに対して敵対的な政策を取っており、この国の新政府も、これまで以上に敵対的な政策を追求している」

 

ザリーフ外相は、アメリカ政府は、中東情勢を新たな視点で見つめるべきだとし、「アメリカ政府は、すべての誤った選択肢を選んでおり、この国の同盟国は、互いをテロ支援で非難している」と語りました。

 

イランのローハーニー大統領は、先週水曜、閣僚会議で、アメリカの不当な行動を批判し、アメリカの地域駐留により、衝突や対立が拡大しているとし、「イラクやシリア、その他の周辺諸国の人々や抵抗勢力は、献身によって地域をテロから救っており、今後も地域から完全にテロを掃討するだろう」と語りました。

 

アメリカとサウジアラビアは、一部の国々と共に、テロ組織を作り、彼らを全面的に支援することで、地域で悪しき陰謀を実行しようとしています。ISISやボコハラム、アルカイダなどのテロ組織の出現は、ブッシュ大統領の政策によるものであり、世界で多くの罪のない人々が死亡しました。現在のトランプ政権に入ってからも、同じシナリオが、サウジアラビアやその他の国々と共に再び実施されています。ザリーフ外相は、先週水曜のPBSのインタビューで次のように語りました。

 

「ワッハーブ派の過激な思想が、サウジアラビアの公式なイデオロギーである。サウジアラビアの政権は、オイルマネーによって世界で過激派を広めようとしている。2001年のアメリカ同時多発テロ事件は、ワッハーブ派の過激な思想に端を発したものだった。世界のテロ攻撃は、このような思想を持つ人々の扇動によって行われている」

 

とはいえ、アメリカにとって、どの国がテロを支援しているのかは重要ではありません。アメリカにとって重要なのは、武器の売却のみです。トランプ大統領は、5月末にサウジアラビアを訪問した際、1100億ドルの武器協定に調印しました。イギリスの新聞、インディペンデントは、最近、アメリカのシンクタンク、ヘンリージャクソン協会の話しとして、次のように報じました。

 

「サウジアラビアは、1960年代以降、イギリスに過激なワッハーブ派の思想を輸出するために、数百万ドルを費やしてきた。暴力的な組織とサウジアラビアによる彼らへの資金援助には明らかな関係が存在する」

 

このことを証明する最新の例が、カタールが、サウジアラビアの王子たちとテロ組織の幹部のつながりを明らかにしたことです。アメリカのカタール大使館は、最近、サウジアラビアとアラブ首長国連邦が、ISISとアルカイダを支援していることを示す文書を発表し、それをカタール外相に提出しました。イランは、テロと戦うためには、それを根絶すべきだと考えています。

 

先週、イランのガーズィーザーデハーシェミー保健医療・教育大臣は、キルギスのビシケクとアフガニスタンのカーブルを訪問しました。ビシケクでは、医療施設を視察し、関係者と協力の拡大について話し合いました。

 

ガーズィーザーデハーシェミー大臣は、カーブルでも、アフガニスタンの保健大臣と会談し、6つの協力合意書に調印しました。これらの合意書は、医療観光、医学教育、血液の分野に関する協力といった内容が含まれています。

 

ガーズィーザーデハーシェミー大臣は、記者会見で、「イランはアフガニスタンの衛生学部門に年間500人の留学生を割り当てており、その費用の半分を負担している。イランは脳外科や心臓外科の分野でも、アフガニスタンの医師に教育を施している」と語りました。