最高指導者がメッカ巡礼者にメッセージ、「パレスチナ擁護はイスラム共同体の責務」
イランイスラム革命最高指導者のハーメネイー師が、神の家の巡礼者に寄せたメッセージの中で、パレスチナへの支援とその救済は、イスラム共同体の絶対的な責務だとしました。
イスラム教徒の犠牲祭を前に、世界中の数百万人のイスラム教徒の巡礼者が、ハッジ・メッカ巡礼の儀式を遂行するため、サウジアラビアのメッカに集まりました。
ハーメネイー師は、神の家の巡礼者に向けたメッセージの中で、イスラム諸国の指導者やイスラム世界のすべてのエリートの責務は、イスラム諸国の苦い出来事を即時に停止させ、人々の知識を高め、統一と団結を作り出すことだとしました。
また、イスラム教徒の間に対立を生じさせようとする覇権主義体制の政策に触れ、「パレスチナを支援し、70年近く、強奪された自分の国のために戦う人々に同調することは、我々すべての最も重要な責務である」と語りました。
さらに、イスラム教徒の社会は、メッカ巡礼という類まれなる宗教義務の精神と政治、個人と社会の2つの側面のどちらも必要としているとしました。
(ハーメネイー師は、「最新の手段を使った物質主義の魔法が、現在、誘惑的で堕落を生みつつある一方で、覇権主義体制の政策が、イスラム教徒の間に対立と混乱を生み出し、イスラム諸国を対立と情勢不安の地獄に変えている」と述べました。
さらに、「ハッジは、イスラム共同体の、この2つの大きな問題を解消する薬となりうる。人々の心から錆を取り払い、敬虔さと神への知識の光で照らし、イスラム世界の苦い出来事に対して人々の目を見開かせ、それに対抗するための意志を強固なものにし、歩みを確かにすると共に、行動に向け、手や頭の中の準備を整えさせる」と強調しました。
また、今日、イスラム世界は情勢不安に陥っているとし、「道徳的、精神的な混乱と政治的な混乱。その主な原因は、我々の怠慢と敵の残忍な攻撃である。我々は、卑劣な敵の攻撃に対し、宗教的、理性的な責務を果たしていない」と述べました。)
ハーメネイー師は、「シオニストの敵は、イスラム世界の中心で混乱を引き起こし、我々は、パレスチナの救済という絶対的な義務を怠り、シリア、イラク、イエメン、リビア、バーレーンの内紛と、アフガニスタンやパキスタンでのテロとの戦いなどに明け暮れている」と述べました。
さらに、「イスラム諸国の首脳、イスラム世界の政治、宗教、文化界のエリートたちは、重大な責務を負っている。その責務とは、全ての人の宗教的、民族的な排他主義を停止させ、団結や統一を作り出すことである。その責務とは、シオニズムと覇権主義の裏切りや敵対の方法を人々に教えることである。また、全ての人に、ハードな戦争とソフトな戦争のさまざまな場面において、敵に対抗するための手段を身につけさせることである。イスラム諸国で起こっている悲劇的な出来事を即時に停止させることである。現在、イエメンの出来事をはじめとするその苦々しい例が、世界中に抗議と悲しみを招いている」としました。
ハーメネイー師は、「またその責務とは、ミャンマーなどの虐げられた人々をはじめとする、圧制下にあるイスラム教徒の少数派を断固支援することである(。そして何より重要なのは、パレスチナを支援し、70年近く、強奪された自分たちの国のために戦っている国民と、無条件に協力することである)」と強調しました。